注文住宅/家づくりのイメージづくり・アイデア

わが子を事故から守る「家」のつくりかた

厚生労働省の人口動態統計年報のここ数年のデータによると交通事故で亡くなった人は年間7千人ですが、家庭内事故で亡くなった人はその2倍近くの約1万4千人にも及びます。家を建てる際、予算や間取り、設備機器などに目を奪われがちになりますが、同時に住まいの安全安心についても十分配慮する必要があるのです。

佐川 旭

執筆者:佐川 旭

家を建てるガイド

家庭内事故死は約1万4千人

厚生労働省の人口動態統計年報のここ数年のデータによると交通事故で亡くなった人は年間7千人ですが、家庭内事故で亡くなった人はその2倍近くの約1万4千人にも及びます。家を建てる際、予算や間取り、設備機器などに目を奪われがちになりますが、同時に住まいの安全安心についても十分配慮する必要があります。特に子どもがきっかけで家を建てる人は多いはずです。しかし子ども部屋は考えても安全性などは後回しにしてしまうことが多いように思います。間取り計画と同時に考えておくことでバリアフリーはもちろん、ユニバーサルデザイン(※)の家づくりも可能になってくるのです。

※ユニバーサルデザインとは・・・あらゆる年齢や性別、体型、障害の有無・レベルにかかわらず、誰にでも使いやすいデザインのこと

危険なところワースト5

乳幼児や子どもにとって、もっとも危険なところは次の5項目です。

1.階段・・・建築基準法では踏み面15cm以上、蹴上げ23cm以下と決められていますが、このとおりの階段をつくると57度の急勾配になりとても危険です。

2.浴室・・・1歳から4歳までの死亡事故の1/3は水死、その中の8割が浴槽で起きています。

3.建具・・・折れ戸のすき間やドアに手をはさんでケガをする

4.小さな段差・・・
床の段差は手前より向こう側の段差が危険です

5.ガラス・・・
出入口周辺、階段まわりなど、衝突の発生しやすいところに使うガラスはとても危険

この5項目の中でもっとも危険なのが階段です。平成17年の人口動態統計でも階段からの転落による死亡事故は485人にも及びます。事故のほとんどは階段が急であったり、すべりやすかったり、手すりが付いていないことで起きています。仮に手すりがあっても子どもにとっては高すぎて使い勝手が悪いので、あまり使うことはありません。そこで子供用に低い位置に手すりを付けておいて、あとで取り外せるようにしておくこともひとつの考え方です。また設計段階で踊り場を設けておくことも事故を防ぐのには有効です。

【階段の事故】
4歳児までの事故が多く、中でも1人で歩けるようになる1歳児には注意が必要です。
国民生活センター「病院危害情報」H2年参照

国民生活センター「病院危害情報」H2年参照



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