男の靴・スニーカー/シューケア・手入れ

黒の靴クリームの「色」を 深く考えてみる その2(2ページ目)

前回に引き続き、黒の乳化性靴クリームの「色」について、製品ごとに特徴を解説してまいります。今回は前回ご紹介したものの進化・発展形と考えられるものの2つです!

飯野 高広

執筆者:飯野 高広

靴ガイド

3. English Guild Bees Rich Creamの黒

English Guild Bees Rich Cream Black

English Guild Bees Rich Creamの黒は、ご覧の通り濃紺とかブルーブラックと申した方が適切な深く鋭い色合い。”Bees Rich”の名に違わず光沢も濃密なので、黒の靴にシャープな印象を増したい時に効果的です。

Church’sやTricker’sなど、ノーザンプトン周辺に集中するイギリスの著名な靴メーカーの工場で用いる靴クリームや仕上げ剤を供給する業者が、一般ユーザー向けに初めて作ったのがこのEnglish Guild Bees Rich Cream。この2013年の夏にまずニュートラル(無色)と黒が先行発売され、それ以外のものについても徐々にではあるものの様々なお店で見掛けるようになって来ています。イギリス製の靴クリームとしては久々の新製品であるため、見付けた瞬間に半ば衝動的に買われてしまった方も多いのではないでしょうか。

この乳化性靴クリームの黒も、いわゆる真っ黒ではなくグレイ系です。しかしこれまでご紹介したものとは明らかに異なり、モゥブレィの黒に青味を相当増し更に僅かに赤みも入れた、要は「濃紺」とか「ブルーブラック」と呼んだ方が適切かもしれない、しっかりとした色合いであるのが大きな特徴です。以前にも書きましたが、それは1990年代初め頃までのMeltonianの黒にかなり近いもの。初めて見た時には非常に懐かしく、もう二度と手に入らないだろうなぁと諦めていたものが遂に復活してくれた喜びを覚えました。

紙に塗る際はモゥブレィの黒に比べれば抵抗感が少ないものの、前ページのM.Mowbray Prestigio Cream Naturaleの黒よりは伸ばす際に若干ドロッとした感触を覚えます。油分と蝋分の配合が異なることに起因する使用感の違いと思われ、その証拠に光沢もコクと言うか、蜜蝋がしっかり入ってますと言わんばかりの低重心で濃い口なものが全面に出て来ます。とは言え浸透性はいたってスムースで特段のクセはありませんので、重厚かつシャープな黒に仕上げたい時や、油分をしっかり含ませたい時に大いに活用したい靴クリームですね。
Meltonian Black (Early 1990's)

因みにこちらが、1990年代初め頃までのMeltonianの黒です(大分干からびていますが……)。English Guild Bees Rich Creamの黒と同様のブルーブラックに近いグレイ。この色感をご記憶の方も大分少なくなって来ました。

もちろん「黒」の比較はこれだけで終わりにはしませんよ。他のブランドは一体どうなのか、引き続き次回までお待ちを!
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