一戸建ての敷地のまわりには塀やフェンスを造るケースが多いものです。また、道路と敷地の間に何もない「オープン外構」の家も増えつつありますが、近年は景観への配慮から生垣にすることも少なくありません。
塀やフェンス、生垣は外観のイメージを大きく左右するとともに、そのバリエーションも豊富です。その種類やそれぞれの注意点などについて、実例写真を交えながら考えてみましょう。
高い塀で囲まれた家は重厚な雰囲気になりますが、いざ不審者が敷地内に侵入したとき、外部からの目が届きにくくなる不安もあります。防犯カメラやセンサーなど、セキュリティシステムを活用することも考えなければなりません。
また、最近の一戸建て住宅で、むき出しのブロック塀が使われることは少ないでしょう。多くの場合は表面にタイルを貼るなど、見た目の配慮もされています。
比較的新しいブロック塀であれば、建築基準法施行令などに定められた基準に沿った鉄筋を使うことで安全性が保たれているはずです。しかし、その基準がしっかりと整備されてからの年数は浅く、古いブロック塀の場合には一定の注意が必要です。
一方で、見通しを良くするためにブロック塀を低くし、その上にアルミなど金属製のフェンスを巡らしている場合も多いでしょう。家の外壁とフェンスの間に植栽をすることで、見栄えのよい印象になります。植栽の手入れをしっかりしないといけませんが……。
金属製のフェンスはかなり種類が豊富で、外壁の雰囲気や好みに合わせて選ぶこともできます。定期的な塗装などメンテナンスの手間も含めて検討したいものです。
木や竹で組まれた塀やフェンスに囲まれた住宅は、なかなか落ち着いた雰囲気になります。金属製のフェンスに比べると採用例はかなり少ないようですが、そのぶん個性的な印象が強くなるでしょう。色鮮やかな花や果実のなる樹木があると、より一層引き立ちます。
さらに近年は、まちなみ景観への意識が高まり、家のまわりを生垣にする例も増えつつあるようです。大規模な開発分譲地などでは、区画全体を生垣で統一している例もみられます。
樹木の種類によっては季節ごとの手入れが大変な場合もありますが、これから注文住宅を建築するとき、あるいは中古住宅を購入して外構の造り直しをするときには、生垣を取り入れることも積極的に検討したいものです。
また、道路に面した一角に「シンボルツリー」として背の高い樹木がある家もなかなか魅力的です。家そのものの印象もよくなるため、将来、中古住宅として売るときも有利になることがあるでしょう。もちろん、そのスペースがあればの話ですが……。
道路に面した部分は塀やフェンス、生垣などで綺麗に整えられていても、隣地との境界は無粋なブロック塀やコンクリート板になっている例が少なくありません。境界上にあるものはなかなか造り直しもできないのですが、隣地の協力が得られるのであれば考えてみたいものです。
建築当初から計画する場合などでないと難しいものの、隣地との境界に生垣があるのも好印象です。隣人同士の一方がとても綺麗好きで、もう一方が無精だったりすると困りますけどね。
コンクリートの塀や金属製のフェンスなどに花を飾っている家もよくみかけます。手入れは大変でしょうが、季節ごとに色とりどりの花が飾られ、道を通り過ぎる人の目を癒してくれます。
しかし、ときには花を育て過ぎて道路に大きくはみ出している例もあるようです。花が咲く季節にはとても見栄えがするものの、人や車の通行の妨げにならないような配慮も必要です。
購入を検討する中古住宅がこのような状態の場合には、塀に亀裂などの問題があっても分かりづらいため、十分に注意しなければなりません。
また、購入を検討する中古住宅に古いブロック塀が使われているときには、それを造り直すことを前提に資金計画を考えるべきです。
古いブロック塀では内部に鉄筋がないケースが多く、大きな地震のときに倒壊するおそれがあります。よく観察してみると、すでに傾きかけている場合も少なくありません。
ブロック塀を生垣に直す工事に対して助成をしている自治体もありますから、事前に確認しておくようにしましょう。
関連記事
不動産売買お役立ち記事 INDEXオープン外構
隣地との間の塀やフェンス、設置位置と費用負担は?