新規設定ファンドのメリットとデメリット
2013年中に新規設定されたファンドの本数は、以下のようになります。ちなみに、単位型は基本的に主流ではないので、ここでは追加型のみ記しておきました。1月 17本
2月 60本
3月 45本
4月 41本
5月 45本
6月 80本
7月 79本
8月 59本
9月 108本
10月 119本
11月 62本
11月はスローダウンという感じではありますが、それでもこれだけの本数のファンドが新規設定されているという事実を、きちっと考えていく必要があるでしょう。
果たして、この手の新規設定ファンドを買うことが、投資家にとって、メリットになるのでしょうか。特に最近は、来年1月からのNISAのスタートに向けて、「NISA専用ファンド」なるものを立ち上げている投資信託会社も少なくありません。
新規設定ファンドを買うメリットは何か。いろいろ考えたのですが、実際に投資信託を購入する個人にとってのメリットは、ほとんどゼロです。
ただ、販売する金融機関にとっては、やはり新しいファンドに乗り換えさせることで新たな手数料収入が得られるので、魅力的です。新規設定ファンドのメリットは、販売金融機関にとってのメリットと考えて良いでしょう。
一方、デメリットは何でしょうか。いろいろ挙げられます。
第一に、過去の運用実績が全く分からないこと。もちろん、投資信託は預貯金と違って、リターンを約束したものではありませんから、過去の運用実績が将来も続く保証はありません。ただ、過去の基準価額の推移を見ることで、リスクの度合いをある程度、推し量ることができます。
第二に、資金の出入りです。新規設定時に多額の資金を集めたファンドでも、ほんの数か月で解約が殺到し、資金が半減以下になってしまうケースがよく見られます。このように、急激に資金が目減りする状態は、運用そのものに支障を与えます。ある程度、資金が安定しているかどうかを見極めるには、やはり設定から数年が経過しているファンドの方が、安心できます。
これからNISAのスタートにともなって、「NISA専用ファンド」などと銘打った、新しいファンドが次々に設定されてくるでしょう。
もしNISAの口座で投資信託を購入するのであれば、この手の新規設定ファンドではなく、すでに運用開始から5年程度経過しているファンドを中心にして、かつ純資産残高が大きく目減りしていないものから選ぶのが基本です。