雨戸のない住まいも多くみられるが、条件によっては検討を
窓サッシの性能の高まりや外観デザインの変化などから、雨戸を設けない住まいも多くみられるようになりました。しかし、昨今の異常気象など自然災害への対策、防犯、防火、また断熱やプライバシーの確保を考慮した時、敷地環境や条件によっては、雨戸の役割が重要となるケースも多いかもしれません。最近では、従来からある雨戸ではなくシャッターを取り付けるケースも増えてきています。メーカー商品には、さまざまなシャッターが揃っていますが、馴染のある横引きの雨戸にも機能性を高めたタイプがみられます。特に、リフォーム向けの商品には、既存の雨戸のサイズや枠など、条件に適したものを選ぶことができ、施工性を高めた商品が揃っています。
風通しを確保しながらの防犯も可能なアルミ製。施工しやすい取替用。 [通風雨戸XRA] YKK AP
素材 アルミや鋼板などの金属系が多くみられる
雨戸は、本来は、和風建築の開口部の外側に、防雨や防風、防犯などのために設けた建具のこと。従来は木製の戸が主流でしたが、現在では、軽量のアルミや鋼板など、金属系の商品が普及しています。断熱、採風、採光と機能を選ぶことができる。 [雨戸一筋] LIXIL
一般的に、横引きの雨戸は、シャッターに比べて低価格なのが魅力ですが、開け閉めに手間がかかる場合があること、戸袋部分のスペースが必要なこと、などがデメリットとして挙げられるでしょう。
形状 パネルタイプと採光や通風が可能なルーバータイプ
メーカー商品としての雨戸には、パネル(単板)タイプのほか、採光や通風が可能な羽根を持つ(ルーバー・ブラインド・ガラリ)タイプ、波板パネルを用いたルーバーのようなデザインのタイプ(採光・通風を得ることができないタイプ)などがあります。可動ルーバータイプであれば、プライバシーを確保しつつ、効率的な通風が可能。 [単体雨戸] LIXIL
性能 断熱性能を高めたタイプも
内部に発泡ウレタンなどを充填した断熱性能の高い断熱雨戸もみられます。商品にもよりますが、断熱だけでなく防音・遮音性能も期待することもできるでしょう。また、開閉時の作動音や風などによるがたつき音を抑える工夫がなされているタイプもあります。カラーバリエーションは、ブラックやシルバー、ホワイトやブラウン、ブロンズなどが揃い、外観デザインや窓サッシなどとのコーディネートが可能でしょう。
洋風外観にも馴染む折れ戸タイプなども
最近のメーカー商品をみてみると、横引きの雨戸だけでなく、洋風の外観デザインにも馴染むような両サイドに引くタイプや折れ戸タイプの雨戸などもみられます。折れ戸タイプは戸袋のスペースを確保する必要がないのがメリット。両サイドに引くタイプは、外観のアクセントとなるものもみられます。窓を外側からガードする両サイドに引く鋼板製の扉。台風時の飛来物の貫通や窓ガラスの破損を防ぐ。[アウターガード(4枚建) 〈上〉全開、サッシ外観H2 〈下〉全閉] YKK AP
取り換えや後付けしやすいリフォーム向け商品が揃う
厳しい自然環境にさらされる雨戸は、老朽化や不具合などで取り替えるケースも多い建具のひとつ。メーカーの商品には、既存の枠をそのままいかして、パネルだけを新しく取り替えることができるもの、1枚だけの取替えも可能なタイプもありますし、既存の窓サッシに外壁の上から取り付けられるタイプなども揃っています。さまざまな雨戸枠にも対応できる商品などもあるので、設計担当者と相談の上、設置する場所の条件に合った商品を選ぶようにしましょう。【関連記事】
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