新築マンションの場合は、売り主が売買契約書によって暴力団の排除に尽力する

・もし、知らないうちに自宅マンションに暴力団が住んでいたら…… 
・もし、自宅マンションの一室が暴力団事務所として使用されていたら……

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新築マンションでは売り主が売買契約により暴力団を排除する。

想像するだけでも恐ろしいものです。賃貸住宅なら契約解除して逃げられますが、分譲マンションではそうはいきません。抗争事件に巻き込まれる可能性があり、マンション住民は不安な生活を抱えながら暮らさなければなりません。

そこで、予防線を張る必要がありますが、新築マンションの場合は売買契約書に以下のような条項を盛り込み、身分確認に重点を置きつつ分譲マンションの売り主が暴力団の排除に尽力します。この時点(マンション引き渡し前)では管理組合は成立していませんので、組合員の出番はありません。

  <不動産売買契約における反社会的勢力排除のための条項(例)>
  • 自ら、または自らの役員が暴力団、暴力団関係企業、総会屋もしくはこれらに準ずる者またはその構成員(以下、総称して「反社会的勢力」)ではないこと。さらに、反社会的勢力に自己の名義を利用させ、契約の締結および履行をするものではないことを確約する。
  • 買い主は、自らまたは第三者をして本物件を反社会的勢力の事務所その他の活動の拠点に供してはならない。
  • 買い主がこれらに違反した場合、売り主は何らの催告を要せずして、本契約を解除することができる。
  • 規定により本契約が解除された場合、買い主は売り主に対し、違約金として売買代金の○○%相当額を支払うものとする。

専有部分を貸与あるいは譲渡する際には細心の注意をして契約の相手を選別せよ! 

一方、中古マンションの場合は当然ですが、管理組合が自ら暴力団を入居させない予防策を立てなければなりません。具体的には管理規約を改正し、反社会的勢力の排除条項を追記します。

 <マンション標準管理規約の改正(例)>

(専有部分の貸与および譲渡)
第19条 区分所有者は、その専有部分を反社会的勢力に対して、貸与または譲渡してはならない。同時に、反社会的勢力に通謀の意図を持って第三者の名義を利用させ、貸与または譲渡の契約を締結させてもならない。     

2 区分所有者は、その専有部分を第三者に貸与あるいは譲渡する場合には、この規約および使用細則に定める事項を遵守させなければならず、遵守させる旨の誓約書を管理組合に提出しなければならない。

3 新たに賃借人あるいは区分所有者となった者は、自らが反社会的勢力と何ら関わりなく、今後も一切の関わりを持たないことを誓約する旨の書面を管理組合に提出しなければならない。

4 前条の誓約する旨の書面の提出にもかかわらず、賃借人あるいは区分所有者が規約および使用細則に違反し、反社会的勢力として区分所有者の共同の利益に反する著しい障害を生じさせるなどの事実が発覚したときは、まずは警察に相談し、組事務所その他の活動拠点としての使用禁止のための援助・支援を求める。

5 前条によっても反社会勢力が使用を禁止しない場合、管理組合は当該専有部分の賃借人あるいは区分所有者に対し、総会決議に基づき訴えをもって、その専有部分の使用禁止、区分所有権の競売請求、さらには賃借人に対する引き渡し請求を行うことができる。

6 管理組合は違反行為により生じた損害の賠償、管理組合が共同利益背反行為の排除のために行った法的措置に要した費用(弁護士費用を含む)を請求することができる。

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「暴力団のもたらす社会的害悪を考慮すると、暴力団構成員であることにより不利益(人的差別)を受けることは許される」(広島高裁判決)ため、暴力団である区分所有者をマンションから徹底排除する行為は憲法第14条(法のもとの平等)に違反しないと考えられています。その存在自体が共同生活上の障害となるのです。

マンション管理組合は反社会的勢力を「入居させない」「もし入居しても、すぐに追い出す」ことを常に心がけておく必要があります。
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