機構団信が定める「所定の高度障害」とは、どういう状態なのか?
死亡または高度障害になると、残りの住宅ローンは団信保険で債務弁済される
<債務弁済の対象となる高度障害状態とは?>
保障開始日以降に生じた傷害または疾病により、保障期間中に以下の1~8のいずれかの状態に該当し、かつ、回復の見込みのない場合を高度障害状態といいます。
- 両眼の視力を全く永久に失ったもの
- 言語またはそしゃくの機能を全く永久に失ったもの
- 中枢神経系または精神に著しい障害を残し、終身常に介護を要するもの
- 胸腹部臓器に著しい障害を残し、終身常に介護を要するもの
- 両上肢とも手関節以上で失ったか、または、その用を全く永久に失ったもの
- 両下肢とも足関節以上で失ったか、または、その用を全く永久に失ったもの
- 1上肢を手関節以上で失い、かつ、1下肢を足関節以上で失ったか、またはその用を全く永久に失ったもの
- 1上肢の用を全く永久に失い、かつ、1下肢を足関節以上で失ったもの
いずれも機構団信加入者の場合ですが、「視力を全く永久に失ったもの」とは矯正(きょうせい)視力が0.02以下になって回復の見込みがない場合を指します。単に視野が狭くなってしまう状態や、上まぶたが下がって目が閉じたまま、わずかしか開かない状態などは該当しません。
次に「言語の機能を全く永久に失ったもの」とは、声帯全部の摘出により発声が不能な状態や、脳言語中枢の損傷による失語症で音声言語による意思疎通が不可能になり、その回復見込みが期待できない状態を指します。また、「そしゃくの機能を全く永久に失ったもの」とは、流動食以外のものは摂取できない状態で、その回復が見込めない場合をいいます。
3・4番目の「常に介護を要するもの」とは、食物の摂取、排便・排尿・その後始末、衣服の着脱、起居、歩行、入浴のいずれもが自分ではできずに常に他人の介護を要する状態をいいます。介護用品などを使用して自力でできる場合は該当しません。寝たきり、もしくは、それに近い状態を指します。
注意点として、リハビリにより当初の障害状態が改善される可能性があり、症状が固定しているとはいえない場合は所定の高度障害状態に該当しません。発病または受傷後日が浅く、症状が固定していないときは、症状が固定した後に改めて申請することになります。
加えて、身体障害者による1級の認定の障害状態や、公的介護保険制度による要介護認定などと機構団信における高度障害状態とは基本的に認定内容が異なります。また、障害により就業が不可能になり収入が得られなくなることと、高度障害状態に該当することとは必ずしも一致しません。ご不明点がある場合は住宅ローンを借りている金融機関へお問い合わせください。
「がん」「急性心筋梗塞」「脳卒中」になった場合も、団信により債務弁済される
機構団信には「3大疾病」を弁済理由に追加した「3大疾病付き機構団信」もあり、下表の内容に該当した場合には、死亡・高度障害に加え、「がん」「急性心筋梗塞」「脳卒中」になった場合も債務が弁済(完済)されます。
団信保険 債務弁済のための保険金請求の手続き方法
最後に、保険金請求の手続き方法をご紹介します。(1)住宅ローンを借りている金融機関に連絡する。
(2)保険金請求のために以下の必要書類を準備する。
<死亡による債務弁済手続きの場合>
- 団信弁済届け(金融機関から受け取る)
- 死亡証明書または死亡診断書・死体検案書(生命保険会社所定の用紙に医師に記入を依頼する)
- 住民票(本人の死亡事実が記載されているもの)
- 事前判定依頼届け(金融機関から受け取る)
- 障害診断書(生命保険会社所定の用紙に医師に記入を依頼する)
- 団信弁済届け(高度障害状態であると認められた場合)
(3)提出書類をもとに生命保険会社が支払い可否を審査する。
(4)審査を通過すると保険金が支払われ、残債は全額完済となる。