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人狼の失敗しない嘘のつき方 上級編

騙し合いのゲーム「人狼ゲーム」で上手に嘘をつき、狙って村を滅ぼすための上級テクニックをご紹介します。このテクニックを知っていると、ゲームを攻略しやすくなり、自分なりの必勝法を作り上げることもできますよ。

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

ゲーム業界ニュースガイド

村を滅ぼす嘘をつこう!

ただ嘘をつくだけじゃなく、人狼陣営勝利の為に狙ってつく嘘をご紹介します

ただ嘘をつくだけじゃなく、人狼陣営勝利の為に狙ってつく嘘をご紹介します

さあ、騙し合いのゲーム「人狼」で上手に嘘をつくための嘘つき講座、前回(人狼の失敗しない嘘のつき方 初級編)は初級編ということで、ここを押さえておけば失敗しにくいという基本についてお話しました。今回は上級編。これが決まれば村が滅びるという、嘘の具体的なテクニックとそのロジックについて、いくつかご紹介したいと思います。

人狼や狂人をひいた時に試していただきたいのはもちろんのこと、人狼陣営のテクニックを知っていれば、村人になった時も推理がしやすくなりますから、ぜひ参考にしてみてください。

今回も、インターネット上の掲示板やチャットなどを利用して行うWebの人狼ではなく、実際に集まって行うリアルの人狼を想定したものです。また、人狼には様々なルールがありますので、便宜上、12人で遊ぶルールを設定してお話を進めます。

12人の役職は以下の通りで、初級編と同じです。
  • 毎晩1人を指定して、人狼か村人か知ることができる占い師が1人
  • 毎晩その日の昼間に、処刑した人が人狼か村人かを知ることができる霊媒師が1人
  • 毎晩1人を指定して、人狼から守ることができるボディガードが1人
  • 人狼が誰かも知らないし、何の能力もない村人だけど、人狼が勝利したときに自身も勝利となる狂人が1人
  • 毎晩1人を指定して、村人を襲う人狼が3匹
  • 村人が5人
※ボディガードは連続して同じ人を守ることができず、それぞれの役職は死んでも明かされることがありません。

また、今回も説明をややこしくしないために、狂人や人狼以外の本物の役職者やただの村人は嘘をつかないものとして、話を進めます。

村を滅ぼすタイミング

ここで人狼を処刑しないと村が滅ぶというタイミングが存在します

ここで人狼を処刑しないと村が滅ぶというタイミングが存在します

人狼や狂人が、占い師や霊媒師などの役職のふりをして嘘をつく時、とても難しいのは、誰かを「村人です」というタイミングよりも、「人狼です」というタイミングでしょう。一度誰かを「人狼です」と言えば、その人が生きていれば当然猛烈な反発をくらいますし、また、他の村人からもその真偽が強く追求されます。よしんば村人の処刑まで持ち込んだとして、霊媒師が生き残っていれば当然翌日嘘がバラされてしまいます。

じゃあ例えば今回のルールにおいて、あなたが人狼だったとして、人狼陣営3匹全員が処刑されずにパーフェクトの勝利を収める為に、占い師のふりをし、善良な村人を指して「この人が人狼です!」と言うタイミングは、いつが良いでしょうか?

これはもちろん絶対ということは無いのですが、非常に多くの場合チャンスなのは3日目です。理由を説明しましょう。

今回のルールでは村全員の人数が12人、うち3匹が人狼です。村のメンバーは1日2人ずつ減っていきます、昼の処刑と夜の襲撃ですね。そうすると、3日目が終わって4日目の朝を迎える時、ボディガードが人狼の襲撃を防いでいない限りは、それまでの3日間で6人が命を落として、6人が残っています。この時、人狼3匹が全員生き残っていると、人狼3匹と村人3人、人狼と村人の数が同じということで人狼側の勝利となってゲームが終了してしまいます。

ですから、村人側は遡って3日目の夜が訪れる前に、人狼を1匹は処刑しておかなければいけないということになります。人狼からすると、3日目の昼を乗り切ってしまえば、あとは嘘がバレるかどうか心配する必要すらないのです。

村人の数と人狼の数は常に変化していきますから、人狼が生き残っていれば何度か、今日当てなければ村が滅びるというタイミングは訪れることがあります。そしてその日を確実な情報として知っているのは、人狼と霊媒師だけです。これを利用しない手はありません。色んな嘘のつき方がありますが、いつ村を滅ぼせるか常に把握しておくというのは、とても大切なポイントです。

2匹目の人狼と霊媒師

2匹目の人狼が処刑されたと宣言する場合は、よく状況を考えて行う必要があります

2匹目の人狼が処刑されたと宣言する場合は、よく状況を考えて行う必要があります

あなたが嘘をついて霊媒師を名乗り出る場合に、気をつけるべきことは何でしょうか。

よくよく考えなければいけないのは、2匹目の人狼が処刑されたことを告げるタイミングです。なぜなら、あなたが少しでも疑われていると「昨日処刑したのは人狼で、これで2匹の人狼が処刑されたことになります」と言ったとたん、その日あなたが処刑される可能性がぐっと高くなるからです。

あなたが「2匹の人狼が処刑された」と言ったときに、村人からすると、あなたが本物であったとしても、一応処刑しておこうかというという選択肢が生まれます。もし、あなたが本物の霊媒師だとしたら、人狼はあと1匹ですから、間違って村人を1人ぐらい処刑してしまってもたいしたことはありません。

また、人狼が2匹処刑されたと宣言した瞬間に、その霊媒師の役割は必要なくなります。次の1匹を処刑したら霊媒結果を知るまでもなく村人の勝利でゲームが終了するからです。

しかし、あなたが偽物で、霊媒結果もデタラメだったとしたら、これは村人にとって由々しき問題です。人狼は残り2匹、もしかすると3匹いるかもしれません。そしてそのうち1匹は嘘を付いている張本人の可能性があるのです。

霊媒師が本物であっても用済みでリスクは低く、人狼が嘘をついている場合にはピンチを脱出できるということで、2匹目の人狼が処刑されたことを告げた霊媒師は処刑されやすくなります。

狂人による霊媒トラップ

うまいことみんなから処刑されれば、狂人のトラップは大成功となります

うまいことみんなから処刑されれば、狂人のトラップは大成功となります

さて、上記の心理を利用して、あなたが狂人だった場合に、さらなるトラップを仕掛けることができます。例えば、あなたが狂人の時に、2日目に登場して「私は霊媒師です。昨日処刑した人は人狼でした」と宣言します。続いて3日目も「昨日処刑した人も人狼で、これで2匹処刑できました」と宣言します。

多くの場合、ここまでに本物の霊媒師が登場して、あなたの嘘を正してくるでしょう。「あの人は嘘をついています、私が本物の霊媒師で人狼はまだ3匹とも処刑されていません」なんて言ってくれればチャンス到来。

村人の中に、あなたが人狼だった場合のリスクに気づく人がいれば、魚が針に食いついたも同然です。そしてここからが腕の見せ所となります。あなたは「自分は本物だから殺さないでくれ」と周りにお願いするといいでしょう。周りの人が論理的に考えてくれれば、本物なら本物で処刑してもリスクはないということになって、あなたの意見は却下されます。見事村人があなたを処刑してくれればトラップ完成です。

今回の設定ルールにおいて、本物の霊媒師が言うとおり人狼が3匹とも生きていて、3日目に狂人を処刑してしまうと、ボディガードが人狼の襲撃を阻止するようなことが無い限り、4日目の朝は人狼3匹と村人3人となって、人狼側が勝利します。霊媒師を偽装した人狼のふりをした狂人による霊媒トラップ成功、というわけです。

このとき、人狼は霊媒師が嘘の霊媒結果を言った時点で、狂人による偽物と分かりますから、占い師のふりをして登場し、3日目に「あの霊媒師を占ったけど人狼だった」と宣言して狂人が処刑される流れに加担すると、さらに成功率があがります。村人側があなたを処刑するにあたって唯一の懸念は、霊媒師が嘘を言っていて、なおかつ狂人であり、さらに人狼は1匹も処刑できていない、というパターンですから、人狼はそこを潰すように行動する、ということですね。

人狼と狂人の違い

人狼と狂人では嘘をつくにしても傾向が違うのです

人狼と狂人では嘘をつくにしても傾向が違うのです

今度は逆に、人狼が狂人のふりをするトラップをご紹介しましょう。占い師を偽装した狂人のふりをした人狼、という罠です。

狂人のふりをするにはどうしたらよいでしょうか。人狼と狂人の違いは、人狼はなんとしても生き残ろうとし、狂人はなんなら処刑されてもいいと考えている点です。また、人狼は誰が人狼か知っていますから、自分のついた嘘が霊媒師によってバレるかどうかも、あらかじめ分かっています。

よって、人狼は村人から簡単には疑われないように精巧でバレにくい嘘をつく場合が多いです。一方、狂人はいい加減な嘘をつきます。そもそも、誰が人狼か知りませんから、精巧な嘘はつけないのです。これは嘘をついているのが人狼か狂人なのかを見破る時の基本的な考え方なんですが、その基本的な考え方を逆に利用します。

人狼と狂人による霊媒師殺害トラップ

あきらかに怪しい方が処刑できない、という場面もあるのです

あきらかに怪しい方が処刑できない、という場面もあるのです

例えば、あなたが人狼の場合に、2日目に占い師だと言って登場し、村人を1人指名して「あいつが人狼だ」と宣言します。指名した人が何かの役職を持っていなければ、処刑してみて次の日の霊媒結果で判断しようとなるでしょう。そして翌日、霊媒師が登場し、あなたの占いが間違っていたことを指摘するはずです。

この一連の流れからすると、あなたは村人にとって、非常に狂人っぽく見えます。翌日すぐにバレると分かっている嘘をついて、なんなら3日目に自分が処刑されることで、人狼を勝利に導こうという見え見えの作戦です。あなたが普段、人狼のときに精巧な嘘をついていればいるほど、このトラップは効果を発揮します。

そして、あなたが狂人濃厚と判断されると、3日目、村人はあなたを処刑することがどうしてもできなくなります。3日目は何度も言うように最低1匹は人狼を処刑しなければ村が滅ぶタイミングですから、霊媒師の霊媒結果などによって、人狼を処刑できているという確信がない限り、狂人と思しき人物を処刑するわけにはいかないのです。

このとき、本物の霊媒師と共に本物の占い師も生きていれば、名乗り出ているでしょう。何しろ、ここで人狼を当てなければ負けるかもしれないというタイミングです。場には、本物の占い師、占い師のふりをしたあなた、そして、本物の霊媒師がいるはずです。そこでもし、本物の占い師が人狼を占うことができていなかった場合、狂人が霊媒師として登場することで、人狼を勝利に導くことができます。

なぜなら、占い師が1人本物で、もう1人の偽物占い師はいかにも狂人っぽいとなれば、2人出ている霊媒師は、片方が本物で、片方が人狼であるというロジックが成立するからです。ここで当てなければ村が滅ぶというタイミング、2分の1で人狼を処刑できそうだとなれば、かなり村人有利な賭けに思えます。しかし実際にはそこに人狼はいないのです。

これにひっかかると、どちらを処刑するか散々悩んだ挙句、本物を処刑しても偽物を処刑しても結局負けという結果に頭をかきむしることになります。

嘘をつく時は相手を見て

この人なら論理的に嘘を見抜いてくれる、という人こそ騙しようもあるのです

この人なら論理的に嘘を見抜いてくれる、という人こそ騙しようもあるのです

上級編のテクニック、いかがだったでしょうか。なるほど、と思った方はぜひ試してみてください。上級のテクニックはどれも自分の腕で勝利を掴み取るという嘘ですから、決まると本当に気持ちいいですよ。

ただ、1つだけ注意点があります。それは、嘘をつく相手です。初心者から脱出して嘘のプランを色々考え、人狼に挑んでみようとする人にありがちな失敗なんですが、いくら自分のプラン通りに嘘をついてみても、相手によっては全く通用しない場合があります。

人狼であるあなたが、すぐにバレる嘘をつくことで狂人っぽくみせたと思っていても、初心者は素直に「嘘をついているから人狼に違いない」と言ってあなたを処刑するかもしれないのです。

また、そもそもロジカルに物事を考えるよりも、自分の感覚を優先するような人もいます。こういったタイプの人には論理的な情報戦をしかけても、全然納得してもらえないなんていう場合が往々にしてあります。感情に訴えかける話し方で、共感を得ることの方が大事という場面だってあるのです。物事を論理的に組み立てて推理出来る人ほど、そこで失敗しやすくなるかもしれません。

色んなテクニックもありつつ、最後は人間と人間のぶつかり合いであるというのが、また人狼の面白いところでもあります。ぜひ、色々試して、豊かな嘘つきライフを楽しんでみてください!

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