子供の夜型化は悪影響!
十分な睡眠は心と体の発達にとても大切なもの
ところが、日本の子どもは、欧州諸国に比べ、就寝時刻がとても遅くなっていることをご存知でしょうか。子どもの4、5人に1人は、睡眠習慣の乱れや睡眠障害など何らかの睡眠問題を抱えていると言われています。
子どもの生活時間の夜型化や睡眠時間の減少は、成長の遅れ、集中力の低下、さらに学力の低下など、様々な悪影響をもたらします。ここで、その原因、その影響について考えてみましょう。
子供の夜型化&睡眠不足の原因
- インターネットやテレビゲームなどが普及し、ついつい、夜遅くまで遊んでしまう
- 塾の終わる時間が遅いため、帰宅時間が遅くなっている
- 24時間営業のコンビニやスーパー、ゲームセンター、インターネットカフェが普及し、夜でも必要以上に明るく、子どもが夜を認識できない状態にある
- 母親の仕事のため、帰宅時間が遅くなると、夕食の時間が遅くなってしまう
- 子どもが寝るころに父親が帰ってくると、子どもの目が冴えてしまう
- 15時半を過ぎてもお昼寝をしている
なぜ、早く寝ることと適切な睡眠時間が大切なのでしょうか
睡眠不足、遅い就寝時刻の影響は深刻なものに
お昼寝も合わせて、以下の睡眠時間が必要と言われています。
- 乳児期(3~11ヶ月)14~15時間
- 乳幼児期(1~3歳) 12~14時間
- 幼児期(3~5歳) 11~13時間
- 学童期(6~12歳) 10~11時間
■適度なお昼寝は効果的
昼寝は、1~2時間が適当だと言われています。適度な昼寝は、体力を回復させたり、脳を休ませたりする効果があるので、成長のためには必要ですが、15時半以降の昼寝や2時間以上の昼寝は夜の睡眠の妨げになるので、注意しましょう。
■心と体の成長に大きく影響
子どもは、夜の22時から朝4時までの6時間は完全に眠っていなければならないと言われています。それは、成長ホルモンがその時間にたっぷり分泌されるからです。
■心を穏やかにする働きも
睡眠には集中力を高めたり、精神を安定させる働きがあります。
■睡眠時間や就寝時刻と学力は深い関係がある
睡眠には、日中に学習したことを整理して記憶するという役割があり、記憶の定着を高めます。ですから、中高生の試験勉強も、一夜漬けをし寝ないで勉強するより、記憶したことを定着させるためには、睡眠をとったほうがいいのです。
睡眠不足・遅い就寝時刻の影響は深刻
■肥満の原因になる睡眠不足によって食欲を抑制するホルモンの分泌が減少したり、基礎代謝が低下してエネルギーの消費量が落ちることなどが原因です。
■集中力、記憶力、思考力の低下
いずれも、脳の疲労蓄積により、脳が十分に活動できなくなってしまうからです。小学生、幼児は、授業や園活動に身が入りません。また、遊具で遊んでいる時に怪我をする危険性も高くなります。
■免疫力の低下
睡眠中に分泌される様々なホルモンが体の機能を整える上でとても重要な働きをしていますが、睡眠不足になると、これらのホルモンの分泌が少なくなります。そして、体のバランスを崩し、免疫力が低下してしまうのです。
■キレやすかったり、暴力的になったりする
セロトニンと呼ばれる物質が心を落ち着かせるのですが、そのセロトニンは夜更かしすることで減り、攻撃性が増すのです。
■生活習慣病やうつ病の原因になる
糖尿病などの生活習慣病や、うつ病になりやすいことが明らかになっています。
■幼児期の就寝時刻がその後の生活習慣にも影響
幼児期の就寝時刻が小学校にあがってからの遅刻にも影響すると報告されています。つまり、幼児期の生活習慣が、その後の生活習慣にも大きな影響を与えるということです。小学校にあがってからしつければいいと思っていたら、手遅れになります。
子どもの睡眠は親の責任
睡眠不足や遅寝は子どもにとって良くないということは、みなさん、ご存知だったと思いますが、こうして改めて考えてみると、現在だけの問題ではなく、将来にわたって、様々な面で深刻な影響を与える問題です。早寝早起きは、成長、心身の健康、毎日の活動など全ての土台となるとても大切なものです。子どもは眠くなったら寝るので、自然に任せればいいと思っていては大きな間違い。子どもの睡眠は、親の責任です。
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