テクノポップ/アーティストインタヴュー

電子音楽の先達、岩崎工~前編(2ページ目)

フィルムス、TPO、TAKUMI(ソロ)、そしてCM音楽、最近ではThe World of GOLDEN EGGSから生まれたバンドのバンマスとして、幅広い活動をしてきた電子音楽の先達的存在、岩崎工さんに登場いただきます。前編では、シンセサイザーとの出会い、フィルムスそしてTPOまで。

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

ポルトガル語専攻

ガイド:
ちなみに大学では、ポルトガル語を専攻されていたとの事ですが、どうしてですか? ポルトガルかブラジルが好きだったとか?

岩崎:
ある程度、英語はできていたんで、違う言葉をやろうと。大学行くからには、食えなくなった時のオサエというのもあって、あんまりやっている人口が少ない方が、ライバルが少なくて、いいだろうと。車やレースが好きで、ちょうどブラジル人のF1ドライバーとか、サッカーも好きで、F1とサッカーではブラジルは結構メジャーな国なんですよ。とどめは、友だちの知り合いの彼女が、日本人なんだけど、ブラジルに行っていたとかで、横恋慕しようとして、言葉を道具にしようとしたとか(笑)。

ガイド:
実際にポルトガル語が音楽を始めてから、役に立った事は?

岩崎:
あんまりないです。ボサノヴァ好きという訳でもないし… 元々、言葉は好きなので、フランス語とかドイツ語とかも大学入って、かじったりしたんです。言葉の響きによって、音楽って変わるんで、そういう意味では役に立ったかもしれません。実際、ポルトガル語自体は、CM曲の時に作詞に使ったり、TPOではまるまる1曲、「Camacho Preguicosa」でポルトガル語で詞を書いています。

フィルムス加入の経緯

ガイド:
赤城さんにインタヴューした時、岩崎さんを中原信雄さんから紹介されて、フィルムスに加入されたと聞きました。岩崎さんにはどのような記憶がありますか?

岩崎:
全然、間違えていると思うんだけど(笑)。僕が最初にフィルムスの事を聞いたのは、鈴木さえちゃん(鈴木さえ子)。彼女に紹介されて… 中ちゃん(中原信雄)は、元々僕が大学時代にやっていたフュージョンやプログレ系バンド(Weather Report、Genesis、King Crimsonなどが好き)にベースで来ていたんです。彼はアマチュア時代から、青山純とコンビでやっていて、要するにテクニカル系の人。僕は、Brian Enoのソロとか好きだし、単音シンセというのもあるから、シンセよりの現代音楽、コンテンポラリーミュージックとかそういう事もやっていて、フィルムスのようなドミソの世界、三和音の世界はあまり知らなかったんですよ。ジャズっぽいのやプログレをやっている中ちゃんを自分のブレインとして連れて行ったんです。だから、僕が中ちゃんを紹介したんです。それが、多分、事実だと思う。さえちゃんが僕にフィルムスを紹介してくれて、そこには、ブラボー小松、坂本みつわや外間(外間隆史)がいたりして、すでにわさわさやっていたんです。

ガイド:
赤城さん曰く、「岩崎さんはスタイリッシュな機材と使っていて、何か馬が合うんじゃないか」と。逆に岩崎さんは赤城さんにどのような印象を?

岩崎:
僕は、おしゃれな人だと思いました。ひねりのある話が面白いから、付き合うと楽しそうだなと。

 
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