優れた筋肉をより良く動かす運動神経網を磨いた
旧型クラウンがデビューしたのは2008年2月。旧々型、つまりゼロクラウンのエンジンや足回りといったシャシーを受け継いで登場しました。10スピーカーのクラウンスーパーライブサウンドシステムは一部グレードを除き標準装備。一部グレードにはその上のトヨタプレミアムサウンドシステムも用意されていました。また全車、フロントシートは電動パワーシートが標準装備で、本革シートの設定もありました
ちなみに現行型も、同じシャシーを引き継いでいます。それだけゼロクラウンのシャシーは優秀だったということです。また、現行型とシャシーが同じでありながら、走行距離5万km未満が100万円台というのは、やはり旧型の大きな魅力です。
さて、ゼロクラウンからシャシーを継承したとはいうものの、もちろん大きく改良が加えられています。その詳細をすべて記載するのは難しいのですが、ひと言で言ってしまえば、強靱なゼロクラウンの筋肉の隅々にまで運動神経を張り巡らせたのがこの旧型、ということです。
クラウン史上最も硬い乗り心地と思われるゼロクラウンですが、これは立派な筋肉があるにも関わらず、うまく機能しなかったということもできます。
例えるならボディビルダーなみの筋肉を持っていても、必ずしも走るのが速いとは限らないということです。 これを解決したのが旧型クラウンです。具体的には70個あるマイコンのすべての精度をあげて、電子プラットフォームとも言える運動神経網を張り巡らせたのです。
アスリートに比べて、より快適な乗り心地を提供してくれるロイヤルシリーズ。搭載されるエンジンはV6の2.5Lと3L、組み合わされるミッションは6速ATです。ロイヤルサルーンGの後席は電動パワーシートで、エアコンやオーディオをコントロールするスイッチが備わります
これによって、例えば件の硬い乗り心地は、俊敏かつしなやかに足を動かせることで解消しています。万事がこのように、屈強な筋肉を瞬時に上手く動かすことで、スムーズな動きを実現し、走るのが得意になったボディビルダーに成長したのです。
もちろんトヨタの最高級セダンですから、発表当時の最新の安全&快適アイテムがずらりと用意されました。
例えば車線逸脱を警告するレーンキーピングアシストや、ミリ波レーダーで前走車を捉え速度を自動調整するレーダークルーズコントロール、ナビの情報をもとにコーナリング等でスムーズに減速&加速するナビ連動機能、駐車をクルマがアシストするインテリジェントパーキングアシスト等々。
そのほかにも電動パワーシート、左右独立エアコン、イージークローザー、リア電動シート、オットマン機構付きシート、高性能オーディオなど最高級セダンにふさわしい装備がたっぷり用意されています。
横滑り防止装置のVSCをさらに進化させ、アクセルやブレーキ、ステアリングの操作量からドライバーのイメージする車両挙動を予測するとともに、各種センサーからの情報を分析して、ドライバーのイメージとの差を埋めて車を常に安定させるVDIMは標準で装備されます。
イメージとのギャップを車が判断して埋めてくれるわけですから、例えばコーナリングをスムーズに駆け抜けた際などは、まるで自分の運転が上手くなったかのような錯覚を覚えるはず。まさに優秀な運動神経網を象徴する装備です。
燃費でプリウスには敵いませんが、それ以外はやはり腐っても、ならぬ旧型となっても、クラウン。その価値に気づいた人だけ、おいしくなってきた今こそ、お買い求めください。
このように、しっかり調べてみればお買い得な車種は意外とあるものです。あなたも一度、探してみてはいかがでしょう。
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