装備を考えると335iのおいしさが際立つ
先述したように335iと320iでは価格差が大きいので、まずは約70%オフで買える335iを中心に詳細を見ていきましょう。ステアリングやメーターは微妙にセダンとは異なるデザインが施されたとプレスリリースにはありますが、基本的にはセダンのそれを踏襲しています。335iはダコタレザーやウォールナットの加飾が標準装備
セダンと比べて約50mm低い車高にできた理由の一つに、セダンとは違ってスポーティな、低いシートポジションを与えられたことが挙げられます。もちろん、足回りもスポーティな味付けが施されています。
また操作系も、車庫入れ時や市街地などの中低速走行ではより素早く、一方で高速道路では穏やかな反応で直進安定性を高めるアクティブステアリングが専用セッティングされています。
つまり、駐車がとても楽になり、コーナーをひときわシャープに駆け抜けることができるというわけです。
また、コーナーで曲がる先の遠方を照らし出してくれるアダプティブヘッドライトが標準装備。他にもダコタレザーのインテリア、シートヒーティング(前席)、左右と後席の温度を分けて機能するエアコン、iDrive、HiFiオーディオシステムなどが備わります。
320iと335iともにフロントシートは電動パワーシート。また前席のシートベルトは専用アームで自動的に前方へ送り出す機構が備わっているので、いちいち後ろに体をひねる必要がありません。後席には大型のセンターコンソールが備わります
320iではアダプティブヘッドライトやダコタレザーのインテリア、iDrive、HiFiオーディオシステムなどがオプション扱いとなり、アクティブステアリングの設定はなく、足回りのセッティングもマイルドになります。
こうしてみると、335iの中古車のおいしさが際立つと思うのは私だけでしょうか。逆に「iDriveとか要らない、最近のスマホ向けナビとかで十分だし」なんて思っている人には320iのほうがおいしいかもしれませんね。見た目は335iとほぼ同じですし。
さらに「MTでエンジンを振り回すのが好き!」というのであれば、320iの6MT車がオススメです。BMWというとどうしても直列6気筒が人気ですが、最近はダウンサイジングの世の中です。どちらかといえば直列4気筒のほうがトレンドですし、BMWが作ると直列4気筒でも回して楽しいエンジンに仕上がります。
そう考えている人が一定数いるからでしょうが、320iのMT車はAT車と比べて少し高めです。原稿執筆時点での最安値は2007年式/5.5万kmで224.8万円。とはいえ新車時の半額以下です。
そもそも日本市場では貴重なFRクーペ。ましてや「駆け抜ける歓び」を標榜するBMWです。それが70%オフから手に入るようになったことは、おいしい話です。
このように、しっかり調べてみればお買い得な車種は意外とあるものです。あなたも一度、探してみてはいかがでしょう。
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