セダンとは顔も背格好も異なるスポーティクーペ
気づけばこんなに値落ちしていて「おいしい!」という中古車をご紹介しているこの企画。今回はBMWの3シリーズクーペ(絶版)をご紹介したいと思います。セダンより低い位置にキドニー・グリルを配置するなど、視覚的な重心を低く感じさせるデザイン。サイドパネルは合成樹脂製で、従来のスチール製よりも約50%も軽量化されています
先月末に後継機種となる4シリーズが登場したばかりですが、個人的には(まだ4シリーズを見慣れないせいか)3シリーズクーペって相変わらずカッコイイよな、と思うのであります。
そもそもベースであるはずの3シリーズセダンとは顔も違えば背格好(車高はセダンより約50mm低い)も違うこのクーペ。セダンと共有しているパーツは「1枚もありません(プレスリリースより)」というくらいです。
ボディシェルもセダンと比べて約10kgも軽量化されています。また1つ前の型までは乗車定員が5名でしたが、このモデルからとうとう4名に。今回のフルモデルチェンジで3と4にシリーズ名が分かれたのは、必然だったのかもしれません。
日本デビューは2006年9月。まずはパラレルツインターボを装着した直列6気筒の3Lエンジン搭載モデルである335iからお披露目されました。組み合わされるミッションは6ATで、最高出力306psは歴代3シリーズで最高レベル。
BMWですから、もちろんこだわりの重量配分である前50:後50。トランク容量は430Lで、セダンの460Lと比べても遜色ありません。なおタイヤはランフラットタイヤとなります
また最大トルク(40.8kg-m)はわずか1300回転から発生し、5000回転までフラットに発生します。
停まった状態から100km/hまで加速するタイムは5.7秒。さすがにM3(V型8気筒の4L)の4.8秒には及びませんが、それでも十分すぎるくらい速いし、しかもBMW伝統の直列6気筒は、ついうっとりしてしまうくらい、気持ちよくスムーズに回ります。
とはいえ新車時価格は701万円。そう簡単に手に入る車ではありませんでしたが、その1年後には直列4気筒の2Lエンジンを搭載した320iが追加されます。こちらの新車時価格は438万円(6AT)/427万円(6MT)。
335iより300万円近く、つまりトヨタプリウスが買えるほどの価格差があって、同じ「3シリーズクーペ」と呼んでよいのかと思うほどですが、とはいえ、こちらもおいそれと手を出せるプライスではありませんでした。
335iと320iの中間が埋められたのは2010年5月。直列6気筒の3Lエンジン搭載車である335iがラインナップされます。新車時価格は598万円でした。
さてデビューから7年が経ち、しかも後継車が現れたとなると、中古車がとてもおいしくなっています。原稿執筆時点で修復歴なしの最安値は147.8万円。2007年式/6.1万kmの320iです。
100万円台の335iはさすがに走行距離が10万km超となりますが、それでも209.8万円で2007年式/5.9万kmという車が見つかりました。
ちなみに325iの最安値は345万円で2010年式/3.1万km。こちらはまだ新車時の半額とまではいきませんが、320iと335iはラクラク半額以下。320iは約65%オフ、335iは上記の5.9万kmの中古車でも約70%オフです。
もちろん価格だけが3シリーズクーペの魅力ではありません。その魅力を、次ページでさらに詳しく見ていきましょう。