モンスターペアレントと言われないために
モンスターペアレントとは、学校などに対して自己中心ともいえる理不尽な要求をする親を意味します。なお、要求を繰り返すことがあっても、当該の要求が常識の範囲内にあり、かつしかるべき理由を明示してくる場合は「モンスターペアレント」とは呼称されません。保護者がいじめを解決するように要望することは理不尽な要求ではありませんが、「モンスターペアレント」と誤解されてしまうと、それを理由に学校側はいじめを解決しようとしなくなりますので、知恵を使って、冷静に「いじめの相談」をするよう心がけましょう。
いじめ相談は正当な申し出
学校教育法の趣旨に沿えば、校長や教師はその教育活動にともなって、生徒に対し、生徒の生命・身体の安全を守るべき義務を負うとされています。これは、総じて、安全保持義務、安全配慮義務、安全確保義務、安全注意義務などと呼ばれています。したがって、校長や教師が、いじめを看過し、または放置したことによって被害が発生した場合には、この義務懈怠に対し主に民事上の損害賠償責任が問われることになります。
校長や教師には安全配慮義務があります。
ですから、いじめ相談、いじめをなくしてほしいという要望については、「こちらは正当な抗議、正当な依頼をしているだけです」と明確に伝えることが大切です。
いじめ相談をする際の注意点
しかし、いじめ被害者の側が「いじめられている我が子の苦しみをわかってほしい」という気持ちが強くなるあまり、感情的になりすぎて、極端な行動をとらない配慮も必要です。学校との話し合いの際、大声を出して机を何度もたたいたり、机をけってあばれたり、「校長が土下座して謝罪しろ」「担任をクビにしろ」などという理不尽な要求をしたり「なぜ解決しないのか」と一日に何度も電話をかけたりと、常識を越えた理不尽な行動をとりますとモンスターペアレントと認定されてしまう可能性が大きいです。
モンスターペアレントと言われないためのポイントは、前述したように「冷静さ」と「客観性」です。
アポを取って、文書を持参するとよいです。
「冷静に」「客観的に」相談するためにも文書化を
そのためにいじめ相談、要望は書面化して「文書」で伝える必要があるのです。また、何度も言いますが文書化したほうが、客観性も生まれますし、同じ内容を複数の当事者が共有できるので、こちらの伝えたいことがしっかりと伝わります。
文書で要望を伝えることについては、「子供がいじめられていることにきづいたら」を参考にしてみてくださいね。
参考書籍:『いじめは犯罪!絶対に許さない』 (青林堂 井澤一明著)