戦闘用の新エンジン×4WDを搭載したブーン
軽自動車のプラットフォームをベースに、トヨタとダイハツが共同開発したのがトヨタパッソ/ダイハツブーンです。フードのエアスクープはダテではなく、新開発のターボエンジン、フロントには機械式LSDを備え、前後に専用スタビライザー、クロスギアレシオの5速MTと、レースでより速く走るための技術がふんだんに盛り込まれたX4
ベース車に搭載されていたのは1Lと1.3L。「小さな車が便利だけど、軽自動車はちょっと……」という人に向けて開発されたのですが、これに936ccの直4ターボエンジンと4WDを搭載したのがX4です。
この936ccエンジンは、他のブーンに搭載されている1Lとは別もので、新開発のエンジンです(例えば1Lが直3なのに対し936ccは直4)。マーチ12SRは専用チューンでしたが、X4は新たに開発されたエンジンを搭載しているのです。
それを先述のように、ミラやムーヴのシャシーに載せ、モータースポーツ参戦用のベース車として開発されたのがX4。そのため、まぁその戦闘能力といったら。最高出力98kW(133ps)とかそういう数字以上に、めっちゃ楽しい車に仕上がっています。
ベース車にはクーラーはないけれど、ターボの給気する空気を冷やすためにインタークーラーのフィンを冷却するインタークーラーウォータースプレーのスイッチは標準装備。つまりそれだけマジってことです
またフルタイム4WDですが、これは雪道仕様とかではなく、4輪で地面をつかむため、つまりより速く走るためのもの。ミッションはクロスギアレシオを持つ5速MTのみで、もちろん前後にスタビライザー、足にはスポーツサスペンションを備えています。新車時価格は183万7500円。
モータースポーツを楽しみたいという人にはこれで十分なわけですが、「いや、たまには普段の買い物とかにも使いたいよ」という方も、当然いらっしゃると思います。
そんな場合は同車の「ハイグレードパック」を選んでください。こちらにはMOMOの本革ステアリング、キーレスエントリー、エアコン(つまりベース車にはエアコンがありません)、電動格納式ミラーなどが備わります。こちらの新車時価格は204万7500円でした。
原稿執筆時点で見ると、2007年式/4.6万km/修復歴なしのベース車が90万円から見つかりました。ハイグレードパックは人気が高く、2006年式/10万km/修復歴なしで98万円からありました。
先ほどのマーチ12SRと比べても流通台数が少ないため、気になる中古車が見つかったらすぐ実車を確認してみるなど、即行動が大切です。
しかし、それくらい希少価値のある車です。考えてもみてください。このサイズ(軽自動車のプラットフォーム)に、速く走るための4WDを搭載した車なんて、そうはありませんよ。
このように、しっかり調べてみればお買い得な車種は意外とあるものです。あなたも一度、探してみてはいかがでしょう。
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