オーテックが専用チューン等で仕上げたマーチ
気づけばこんなに値落ちしていて「おいしい!」という中古車をご紹介しているこの企画。今回は100万円以下から見つかる、乗って楽しいコンパクトなMT車をご紹介したいと思います。ベース車より約20mmローダウンとなる専用スポーツチューンドサスペンションのほか、専用アルミホイール、ダウンフォースを高めるための専用フロントエアスパッツなど、見た目は「可愛いマーチ」なんだけれど、実は結構違うんです
コンパクトカーというとちょい乗りの、お買い物車のイメージもありますが「いやいや、何いってんだよ。小さい車をギュンギュン走らせるのが楽しいんだよ」という違いの分かる方に、今回は2ケタ万円から探せる車を2台ご紹介いたします。
まずはオーテックが手がけた日産マーチ(旧型)の12SR。登場は2003年10月です。マーチに設定のあった、より排気量の大きな1.4Lではなく、あえて1.2Lエンジンを選んで専用チューンするなど「クルマを操る楽しさを提供するエントリースポーツ」(プレスリリースより)として開発された車です。
一言でエンジンの専用チューンといっても、専用ピストンや専用構造マフラーなどの採用、排気マニホールド径の拡大などで、最高出力はベース車の20%アップの79kW(108PS)に。
黒にオレンジ色が鮮やかな専用のスポーツシートを装備。またステアリングは3本ステアリングとなり、ペダルにはアルミが奢られるなど、内装もベース車とはひと味違うテイストでまとめられています
またエンジン性能にあわせて足回りも専用のスポーツチューンドサスペンション、185/55R15のポテンザRE-01を装備。また専用テールクロスバーや専用フロントエアスパッツ(ホイールハウス前に組み込まれた空力パーツ)など、かなり手の込んだ作り込みがなされています。
その甲斐あって、狙い通りの気持ちの良い走りを実現しています。スポーツ=大排気量じゃないんだって、改めて教えてくれる車です。
ちなみにニスモも、その約半年後に12CをベースとしたニスモマーチSチューンコンプリートなるモデルをリリースしました。1.2Lエンジン、大人気です。
12SRのミッションは5速MTのみで、新車時価格は3ドアが152万円、5ドアが154万5000円。ベースの12Cの5速MT車と比べて約1.5倍するモデルでした。
しかし原稿執筆時点ではほとんどが100万円以下。10万km以上だと30万円から見つかります。「走行距離のなるべく少ないものを」というのであれば、例えば2.3万kmで69.8万円(2007年式/修復歴なし)なんてものもあります。
他のマーチに比べれば確かに少々お高めですが、それでも「乗って楽しい」国産のコンパクトカーなんて最近そうはありません。奥さまがMT車を運転できないとなると購入のハードルは上がってしまいそうですが、もしそうでなければ、あるいは2台目など本人が主に乗るというのであれば、ぜひ検討してみてください。
続いてもう一台の魅惑のコンパクトカー、ダイハツブーンX4(クロスフォー)を、次ページで見ていきましょう。