大阪グルメ/大阪のフレンチ

アニエルドール (大阪・阿波座)(2ページ目)

大阪に次世代フレンチ「アニエルドール(Agnel d'or)」がオープン! リヨンやフレンチバスクで修行されてきた藤田シェフによるビストロノミックな一軒で、今の大阪でもっとも新しいフレンチにチャレンジされている一軒だと思います。フレンチ好きさんは特に必見です!

執筆者:麻生 玲央

ディナーコースの御紹介

大阪中央卸売市場「MAIDO PLAZA」にある自転車移動販売「グランジュテ」のパン。

大阪中央卸売市場「MAIDO PLAZA」にある自転車移動販売「グランジュテ」のパン。

それでは、全8皿(5500円)のディナーコースより御紹介していきましょう。


・フォアグラと甘芋の最中 / 枝豆と抹茶
フォアグラと甘芋の最中 / 枝豆と抹茶

フォアグラと甘芋の最中 / 枝豆と抹茶

アミューズはアソビ心のある抹茶と和菓子をイメージした一皿が登場! 写真左の「枝豆と抹茶」は旬の枝豆をヴルーテにしたもので、その緑色がまるで抹茶のよう。

右側の「最中」もフォアグラと甘いアクセントに芋を組み合わせる相性の良い完成度。アミューズにフォアグラを使う時はスタートから重くならないように工夫が必要なものですが、それを抹茶と最中というアイデアで演出するシェフのセンス、お見事でした。


・馬肉と牡蠣、野菜のジュレ、ミモレット
馬肉と牡蠣、野菜のジュレ、ミモレット

馬肉と牡蠣、野菜のジュレ、ミモレット

ぽってりとミルキーな旨味の詰まった牡蠣に、これに負けない旨味を持った馬肉という組み合わせ、それを酸味の利いた野菜のジュレとミモレットで繋ぎ、渾然一体の饗宴として仕上げられた逸品です。

馬肉と牡蠣の異なる食感の柔らかさが心地良いコントラストを生み、咀嚼する度にワインが欲しくなる味わい。ミモレットも皿の上に彩りを付与するだけではなく、全体をまとめる良きアクセントになっていました。


・秋刀魚と秋茄子、黒オリーブ、スダチ
秋刀魚と秋茄子、黒オリーブ、スダチ

秋刀魚と秋茄子、黒オリーブ、スダチ

次は、秋刀魚と秋茄子という旬の食材同士を合わせた一皿。盛り付けの美麗さもさることながら、その味付けも実に軽やか。特に泡のスダチによる酸味が秋刀魚の旨味を引き立ててあり、フレンチでありながら同時に和を感じる構成が印象的でした。


・リ ド ボーとキノコのカイエット、リンゴとユリ根
リ・ド・ボーとキノコのカイエット、リンゴとユリ根

リ・ド・ボーとキノコのカイエット、リンゴとユリ根

シェフの料理の魅力の一つは、個性を感じさせる進化したフレンチでありながも時折に垣間見える「古典料理」部分。例えば、この料理で言うと泡のソースで隠れていますが、泡の中にあるリ・ド・ボーとキノコの「カイエット(網脂包み)」。

たぶん、フレンチの古典料理を知らない人には、カイエットの良さは伝わらないのかもしれません。一般の人達には単なるリ・ド・ボーとキノコでしかないのかもしれませんが、それでもシェフは手間と時間のかかる「カイエット」を苦労を惜しまずに作られているのです。

ほんの僅かなフレンチ好きな人にしか分かってもらえなくても、この努力が1人でも多くのお客さんに美味しい感動を与えるられるなら、古典料理のバリエーションを少しでも多くの人に知ってもらえるのなら、という想いで、シェフは古典料理をコース料理に忍ばせていらっしゃるのでしょう。まさにフランス料理に対する愛あればこそ。

そして古典の良さを知っているシェフゆえに、どんなに個性的な最新料理を作られても、味の着地点はしっかりとフランス料理なんですよね。

尚、カイエットに使われているキノコはオラガダケと柿の木茸の2種。濃厚な風味の珍しいキノコをチョイスされているところも、さすがです。

次ページでは、魚と肉のメイン料理やデザート各種を御紹介です。
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