馬にまつわることわざ、慣用句
「人間万事塞翁が馬」とは?
・人間万事塞翁が馬(にんげんばんじさいおうがうま/じんかんばんじさいおうがうま)
人生における幸不幸は予測しがたいということ。幸せが不幸に、不幸が幸せにいつ転じるかわからないのだから、安易に喜んだり悲しんだりするべきではないというたとえ。「塞翁が馬」ともいう。
あるとき、塞翁という老人の馬が逃げてしまったが(不幸)、まもなくその馬が優れた馬を連れて戻ってきたので人々が祝福した(幸)。ところが、老人の子がその馬から落馬して怪我をした(不幸)。しかし、怪我をしたおかげで、若者たちの多くが戦死したというのに、老人の子は兵役を免れて死なずにすんだ(幸)という故事から。
・馬には乗ってみよ、人には添うてみよ
馬のよしあしは乗ってみないとわからないし、人のよしあしは親しく付き合ってみないとわからない。何事も経験してみないと本当のところはわからないということ。
・馬の耳に念仏
馬に念仏を聞かせてもありがたみがわからないことから、人の意見や忠告を聞き流すだけで、少しも聞き入れようとしないことのたとえ。
・馬の耳に風/馬耳東風
馬は耳に風を吹きつけても感じないことから、人の意見や忠告を聞き流し、少しも聞き入れようとしないことのたとえ。
・馬を牛に乗り換える
速い馬を遅い牛に乗り換える意で、有利なものを捨てて不利なものに乗り換えることのたとえ。この反対は「牛を馬に乗り換える」。
・馬を鹿/鹿を指して馬となす
誤りを無理やり押し通そうとすること。白を黒と言い張ること。
秦の趙高という人が、自分の権勢がどれほどかを試すために鹿を「馬です」と言って幼少の皇帝に献上したが、皇帝が「これは鹿ではないのか」と側近達に尋ねたところ、趙高にこびへつらって「馬です」と答えたという故事から。
・駑馬(どば)に鞭打つ
能力のない者に能力以上のことをさせようと叱咤すること。多くの場合、才能のない自分が精一杯努力することをへりくだって言う。駑馬とは、おそい馬やのろい馬のこと。
・馬脚をあらわす
馬の脚を演じる役者がうっかり姿を現す様子から、隠していた本性や悪事が明らかになること。
・名馬に癖あり
名馬といわれるほどの馬はどこか扱いにくい癖があるものなので、優れた才能を持った人は強い個性を持っているということ。
・馬齢を重ねる
たいしたこともせず、無駄に年をとること。
・馬肥ゆる
秋になって馬が肥えてたくましくなること。
・馬子にも衣装
どんな人でも身なりを整えれば立派に見えることのたとえ。
・馬が合う
気が合う。意気投合すること。
・馬の背を分ける
馬の背の片方に雨が降り、もう片方には降らないという意から、夕立などがある場所では降っているのに、ごく近い場所では降っていない様子をいう。
・馬の骨
素性のわからない者をあざけっていう言葉。中国で役に立たないものの代表に、小さすぎる鶏の肋骨と、大き過ぎて処分にも困る馬骨をあげたことに由来。
・生き馬の目を抜く
生きている馬の目ですら、さっと抜き取ってしまうの意から、すばしっこく人を出し抜き、ずるがしこくて抜け目がない、油断も隙もないことのたとえ。
・じゃじゃ馬
人になかなか慣れない暴れ馬。人の制御に従わない人。わがままで好き勝手に振る舞う女性のたとえ。
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