「手付け金」は違うもの
預かり金がトラブルになっている原因は、「預かり金」や「申込金」が「手付け金」のような性質を持っている場合。
手付け金とは、不動産の売買契約では、代金の全部あるいは一部として受け渡しされるお金で、契約を交わした後、物件の引き渡しまでの間に支払うお金のこと。賃貸でも、本来は契約成立後に支払われるお金ですから、申込金とは性質が異なります。
賃貸借契約は、借主と貸主の合意があってはじめて成立するもの。申込金は、借主が貸主に対して、「個の部屋を借りたいから、ちょっと押えておいてもらえませんか?」という意味で支払うのであり、まだ契約には至っていません。ですから、手付金ではないはずであり、結局借主がその物件を借りなかったのであれば、返金されなければならないのです。
「預かり証」をもらっておくこと
東京都などの自治体では、申込金を受け取らないようにと指導していますが、地域によってはまだ申込金を支払うケースもないとは言えません。
そんなとき、必要なのが「預かり証」をもらっておくこと。
まず、不動産会社に支払う前に、「このお金は部屋を仮押えしてもらうために一時的に支払うお金であって、もしキャンセルした場合には返金されるもの」であることを確認しておくこと。
さらに、口頭約束だけではいけません。きちんと書面に残しておくことが大切なのです。
【預かり証】をもらう時の注意事項
「預かり証」の例 |
(1)「預かり証」であることの確認をすること。「領収証」ではありません。
(2)但し書きで、この金銭が預かり金であること、さらに必要に応じて返金されるものであることを明記してもらう。ただし、預り金を払ってあるからといっていつまでも決定しないのはダメ。申込金の効力はいつまでなのか、その期限日を決めておくことが大切です。
(3)不動産会社の社名、担当者の記名に加え、社印や担当社印を押してもらいましょう。
申込金をめぐるトラブルに巻き込まれないために、預かり証を発行してもらうことを忘れずに。
万が一、トラブルが起こった場合には、ここへ相談してくださいね。
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