稀代なフィメール・シンガーの遺作
■アルバム名パール
■アーティスト名
ジャニス・ジョプリン
■おすすめ理由
71年にリリースされたジャニス・ジョプリンの遺作、アルバムタイトル「パール」は彼女の愛称で、そう呼ばれることを喜んでいたといいます。
独特なハスキーボイスとブルース感覚を最大限に活かす意味で、それまで続けていたバンドメンバーでは十分発揮できないと判断され、ドアーズを育てたプロデューサのポール・A・ロスチャイルドが新たに取り組んだのが、メンバー総入れ替えによる最強のバックバンドを作る事でした。
そして新バンドのフル・ティルト・ブギーと活動を始めた矢先に、彼女は帰らぬ人となってしまいました。
故郷テキサスの土には戻りたくないということで、遺書にある通り、太平洋に遺灰は撒かれたそうです。
そんな彼女の彷徨う魂が、ブルースと供に昇華する様を思い浮かべます。
しかし悪魔の唄ブルースが、何故かこのアルバム全体をまるでゴスペルやソウルミュージックのように華麗な響きに思わせるのも不思議です。
稀代なフィメール・シンガーの奔放な歌唱力が、この一枚で十分堪能できます。