登場するのは1足の靴のみ
白地に黄色い靴ひもの小さな靴。この靴がこの絵本の主人公であり、唯一の登場人物(?)です。最初のページ。
「くつくつ あるいた
ぱた
ぱた ぱた
さんぽに おでかけ」
張り切って靴をはいて、最初の一歩を「ぱた」と出した後、お散歩への期待を込めて、「ぱた ぱた」と2歩、3歩、足を前に進めます。細かな行替えからも、はいている子どものワクワクした気持ちが伝わってきます。
次のページ。
「ぱたぱたぱたぱた
はやい はやい」
切れ目のない「ぱたぱたぱた」から、勢いづいてきて早足になっていく様子が目に浮かびます。1足の靴が、読み手と聞き手も一緒に、お散歩に連れて行ってくれますよ。
特別な1足「ファーストシューズ」
ファーストシューズでよちよち歩き
子どもの足の大きさの成長は本当に早い! 成長するにつれて動きがどんどん激しくなり、靴の傷みも早くなることも加わって、数ヵ月に1回のペースで新しい靴を用意しなければならない時期も続きます。何年もたったら、我が子が今までどんな靴をはいてきたかを、すべて思い出すのは至難の業ではないでしょうか?! でも、ファーストシューズのことは、鮮明な記憶として残っている方も多いのではないかと思います。
お子さんが歩き出しの頃だったら、お子さん自身も自分と重ね合わせて絵本に入っていくことができるでしょう。次々ページをめくろうとしたり、また前のページに戻ったりページを飛ばしてめくったりしながら、靴の動きに夢中になるお子さんの様子が見られるかもしれません。