宮殿や庭園建築が点在する古代の庭園
頤和園は、中国に現存する最大の古代庭園です。290ヘクタールの敷地内に、万寿山や昆明湖などが作られ、緑と水に満ち溢れる公園です。園内の建築物には歴史と伝統が漂い、静寂感が漂う空間では時間が止まったように感じられます。頤和園は、北京市の西郊外の海淀区に位置し、市街地からは約12キロのところにあります。清代において最も栄えた乾隆帝の時代に造園されました。当初は清蔬園と呼ばれていました。
乾隆帝は、色を好まず、放蕩をきらい、「山水の楽、懐に忘るあたわず」の心情をもって生活を営みました。「天人合一、皇帝権力至上の思想」、「長寿不老の神仙思想」、「享楽の思想」を造園の基本理念としたため、園内には静まりかえり、独特の雰囲気をもっています。乾隆帝は、造園の際には平面図や立体模型の隅から隅までチェックをしたと伝わります。
園内には、各種の宮殿や庭園建築が点在し、部屋を全て数えると3000間あまりに及ぶと言われています。執政、居住、遊覧の用途によって、3つのエリアに区分けされています。敷地中央部に水を湛える昆明湖の水面を眺めていると、人の手によって作られた公園の中にいることを忘れてしまいそうです。
古代の庭園の中には、自然の姿がそっくりそのまま、取り入れられているのです。1998年12月には、ユネスコの世界文化遺産に登録されています。
■頤和園
住所:中国北京海淀区新建宮門路19号
電話番号:86-10-6288-1144
営業時間:4月~10月 6:30~20:00、11月~3月 7:00~19:00
定休日:無休
入園料:4月~10月 30元、11月~3月 20元
公式HP:www.summerpalace-china.com/
※データは記事公開時点のものです。