ラジオドラマの脚本に採用された主婦の物語
■作品名『ラヂオの時間』
■監督
三谷幸喜
■出演
唐沢寿明、鈴木京香、西村雅彦、戸田恵子、井上順、細川俊之、小野武彦、並樹史朗、奥貫薫、近藤芳正、布施明、藤村俊二、宮本信子、渡辺謙
■DVD販売元
東宝
劇団「東京サンシャインボーイズ」によって1993年に上演された舞台劇を映画化した、三谷幸喜初監督作品。
■あらすじ
平凡な主婦・鈴木みやこ(鈴木京香)が初めて書いた脚本が、生放送のラジオドラマとして採用される。リハーサルは無事に終わったものの、出演者たちのとんでもないワガママから脚本は思いもよらぬ方向へ。舞台は熱海からニューヨークに変更され、主婦と漁師の恋物語は、なぜか女弁護士とパイロットを主人公としたドタバタ劇に……。ディレクターの工藤(唐沢寿明)やプロデューサーの牛島(西村雅彦)をはじめ、ラジオ局の裏方は何とか番組を無事に終わらせようと奮闘するが……。
ドラマのヒロインを演じる、旬を過ぎたスター女優・千本のっこ(戸田恵子)の度を過ぎた自己主張っぷりに爆笑。
そして、ヒロインの相手役で役名が途中から「ドナルド・マクドナルド」になってしまう二枚目俳優・浜村錠(細川俊之)に爆笑。
ころころと変わる筋書きに絶妙なアドリブで対応する、深夜パーソナリティ(井上順)に大爆笑。
自分の脚本を台無しにされたみやこは当然ながらブチ切れるわけですが、それでもなお、ドラマは無理やり続いていき、何とか終わりを迎えます。
ストライプのシャツに肩掛けカーディガンでいかにもディレクターな唐沢さん。
そして、局内の愛人に向かって、
「ハゲだけど、カッコイイだろ?」
なんて、しゃあしゃあとぬかす西村さんが可笑しすぎ。
ラスト、このハチャメチャなドラマを視聴していた大型トラックの運転手(渡辺謙)が感激のあまり、
「良かったぜぇーーー!!」
とラジオ局に派手に乗り付けるシーンは、映画版オリジナルですね。
この作品以来、三谷幸喜氏が手掛けた映画をすべて観ていますが、どれもこれもハズレがありません。
でも、いちばんのお気に入りはどれかと問われたら、私はやはり『ラヂオの時間』を挙げると思います。