「超実践的住宅照明マニュアル」の紹介
写真1.「超実践的住宅照明マニュアル」増補改訂カラー版
著者は福多佳子で弊社に20年以上勤めて、さまざまな空間照明のデザインに精通しています。現在、日本には多くの照明デザイナーがフリーランスで活躍されていますが、その中で住宅照明の経験豊富なデザイナーと言えるでしょう。
本著は2011年に販売された改訂版で、ページ数が改訂前の本に比べ約40%ほど増え、フルカラー印刷になっています。4部構成で図や写真が多用されており、読みやすくなっております。(写真1)
1章 照明器具を使いこなす
1章は様々な光源と照明器具の種類が説明されています。なかでも今後のLED照明時代を見据え、LED照明に関係する内容を充実させています。例えばLEDの上手な使い方として、カタログを見るポイントやそこに掲載されているデータの見方などが紹介されています。
また、電球型LEDランプに対して、最近になって直管形蛍光ランプの代替になる直管形LEDランプの種類が増えており、そのような最新情報も取り上げています。
また住宅に使われる照明器具の中で、装飾的な器具はカタログやパンフレットの写真を見て、またショールームなどで実際に商品を見ることで、その器具が部屋に取り付いた時の感じが何となくイメージできます。
しかし、空間に必要な明るさや明るさのリズムなどを求める器具は照明器具の外観的な形状だけでは選べない難しさがあります。
写真2.ダウンライトの配当パターンによって異なる明るさの分布
本著ではそのような照明でも、器種やランプの選定で、また配灯位置などによって明るさや照明効果が変わることを図やCGなどで分かりやすく書かれています。(写真2)
そのため、今まで自分ではできないと諦めていた建築化照明も建築設計者などに、このような照明にしたいとデータを見せて依頼することで、その実現が可能になるかも知れません。
次のページでは「住空間の照明計画の考え方」「照明計画の流れとDIALux活用法」をご紹介します。