状況に応じて 話し方も伝わり方も変わる
人形を使う場合と使わない場合で、おはなしの伝わり方も変わります。
補足しておきますが、この物語が3歳児向けでない、と言っているのではありません。保育中におはなしをする場面はたくさんあります。わたしたちは、いつどのような場面でも、同じように話すわけではないですよね?どのような場面でおはなしをするのかによって、話し方も伝わり方も、何もかもが全く違ってくるのです。
例えば下記のような場面では、原文のままでも充分に楽しめるおはなしだということになります。
- 絵本・紙芝居や人形を使って読み聞かせをする
- 保育者が子どもをひざに抱いて1対1で絵本を読む
- お昼寝の前に枕元でおはなしする
そもそもの目的を見失わないこと
しかし、この試験では『3歳児20人が集中して話を聞く時間という想定で』『絵本・道具(台本・人形)等の一切の使用は禁止』と条件が提示されているわけです。つまり、保育中におはなしをする場面はたくさんありますが、その中でも例えばこのような状況なら、皆さんはどのような話し方をするのか見せてください、と問われているのであり、そのような観点で評価する場合は、原文のままでは解答として不向きな文章、ということになってしまうのです。このようなわけで、まずは3歳児の集団に、素話でも無理なく伝わる台本を作成し、その次に、表情や間のとりかた、声の調子などの『話し方』すなわち『表現の技術』を身に付けていくことになります。
常に『この試験は何を目的としているのか』『それに相応しい解答は何なのか』という視点を、忘れずに持ち続けましょう。
■こちらも参考に……
保育士試験 実技(4) 言語―試験に適した題材の紹介
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