待ってでも座りたいテラス席、人気は選べるビッグプレート
3階建ての洋館、ランチタイムに目指すのは1階の「グリル/ガーデンテラス」です。広い店内はガラス張りで、緑に囲まれていることを感じられますが、天気がいい日にはやはり“テラス”席を希望します。快晴のこの日は知人とともに11時半過ぎに到着し、待たずに着席することができました。この日わたしがオーダーしたのは「選べるビッグプレート」(1580円)。オムレツライス(ソース3種)と洋食3種(ハンバーグ・クリーミィカニコロッケ・海老フライ)が選ぶことができる人気メニューです。ソースはデミグラス、洋食は海老フライをチョイス。知人は平日限定の「週替わりランチ」(1100円)を。この日は、サーモンがメインのプレート。季節の野菜がごろごろ入っています。両方とも、見た目の色合いがいいですね。
以前別の友人と2人、テラス席で食事をした際に、友人が蚊に刺されたようで、少しかき出したところ、店員の方がスっと現れ、虫刺され、そして虫よけの2種類のスプレーを差し出されたことがあります。お客さんの様子をしっかり見てくれているんだなぁと関心した思い出です。真夏や真冬は少し判断に迷いますが、より“松本楼らしさ”を堪能できるのは、やはり外のテラス席ですね。
恒例の「10円カレーチャリティ」は毎年9月25日
日比谷松本楼を語る上で、欠かせないのが“カレー”です。オープン当初から“モダンボーイ(=モボ)”、“モダンガール(=モガ)”たちの憧れであった同店。こぞってオーダーしたのが、カレーライスとコーヒーです。当時、新しい風、新しいライフスタイルとして“ハイカラ”だったのでしょう。同店は1923年の関東大震災で焼失します。その後の戦争の空襲は逃れますが、公園という場所柄、政治集会や社会運動でたびたび歴史の舞台として登場してきた同店。1971年に過激派学生の放火で、再び焼失します。
再開業は1973年。その際に多くの客、ファンからカンパがあり、助けられたという経緯から感謝を込めて、毎年9月25日、「10円カレーチャリティ」が行われています(2013年で41回目)。秋の日比谷の風物詩として定着したこちらのイベント、午前11時スタートで先着1500人が対象です。大行列……必至ですね。ちなみに、チャリティの名の通り、ユニセフなどへ全額寄付されています。
夏目漱石や高村光太郎の文学作品にも登場し、原敬、犬養毅ら歴代総理なども客として名前が挙がる歴史ある洋食店で、ランチはいかがでしょうか?
■日比谷松本楼
・住所:東京都千代田区日比谷公園1-2
・TEL:03-3503-1451
・営業時間[グリル]:平日10:00~21:00
・定休日:無休
・地図:Yahoo! 地図情報