お互いに疑心暗疑になっていく人間模様
■作品名遊星からの物体X (1982)
■監督
ジョン・カーペンター
■主演
カート・ラッセル、ウィルオード・ブリムリ、ドナルド・モファット
■DVD/Blu-ray発売元
ジュネオン・ユニバーサル
■おすすめの理由
この映画は1951年に公開された「遊星からの物体X」を、アメリカのジョン・カーペンター監督がリメイクした作品。
南極基地に表れた氷の中に埋まっていた宇宙生物と、南極隊員達の戦いを描いたSFホラーです。
■あらすじ
舞台は1982年の南極。
アメリカ南極観測隊第四基地に、一匹の犬を追い銃撃を繰り返すヘリが突然表れる。
執拗に犬を追いかける射手は、基地の隊員を負傷させ隊長に射殺される。
死んだ隊員の国籍はノルウェー隊。
なぜ犬を追いかけていたのか真相を調べるためにノルウェー基地に向かうゲーリー(ドナルド・モファット)、マクレディ(カート・ラッセル)らは、そこで廃墟と化した基地と隊員達の死体と、何ものかを取り出した跡を見つける。
そして逃げ延びて犬小屋にいた犬は、突然謎の生物に変身し、犬達を襲い始める……。
ノルウェイ隊は、氷の中に閉じ込められていた数十万年前に地球に飛来し墜落したUFOを取り出すのですが、それに未知の生命体がいて犬を媒介にして形を変え、隊員達を襲い身体を乗っとります。
異様な姿をしたその生命体が人間の身体の中に入り、徐々に昆虫ともは虫類とも付かない多足生物に変身していくのはかなりグロテスク。
いきなり変身するのではなく、徐々に人間の身体を破壊しながら変身していくところが実に怖く、まだ全然ゾンビのほうが100倍ましだと思わせるほど、遥か上を行く恐ろしさです。
またその生物のグロテスクさもさることながら、お互いに「こいつはもうすでに身体をのっとられているのでは」と、施設の中に閉じ込められながら疑心暗疑になっていく隊員達の人間模様も見どころです。
これが30年も前に作られた作品だとは信じられないほど、今観ても映像も秀逸です!