イタリアの歴史と現代のイタリアを結びつける役割を果たす本
■書名ローマ歴史散歩
■おすすめポイント
『ローマ歴史散歩』は、イギリスの女流作家のエリザベス・ボーエンが、ローマの歴史施設を巡ったときのことを書いた本です。日本人が書いたイタリアガイドも面白いですが、他の国の人が書くイタリアも興味深いものです。
ボーエンは、「ローマを知るには、汗を流し、靴底をすりへらすことだ。見るだけのローマは、ボール紙の傑作にすぎない。」と読者に強く語りかけます。
現在のローマにも、歴史的な街道、城壁、丘、神殿、広場が数多く残されています。世界や日本の各地には、歴史博物館と呼ばれる施設が数多く建てられていますが、ローマは街そのものが丸ごと歴史博物館です。
ボーエンは、様々な遺跡や風景に触発されながら、永遠の都を歩きました。神話の神々や皇帝たちの姿が次々に目に浮かび、2500年にわたるローマの街の物語を蘇らせています。
歴史的な建造物を眺めるだけではなく、その建造物にまつわる物語や歴史を予め学んで行くと、各々の施設の見方も変わってくるものです。この本は、イタリアの歴史と現代のイタリアを結びつける役割を果たしてくれます。
■ローマ歴史散歩
著者:エリザベス・ボーエン
出版社:晶文社
発売日:1991年3月29日
定価:2200円
※データは記事公開時点のものです。