映画/おすすめ映画

ウルヴァリン&日本ロケしたハリウッド映画たち(2ページ目)

日本で撮影されたハリウッド映画として話題の『ウルヴァリン:SAMURAI』。「突っ込みどころ満載」という声もあれば「意外とちゃんと描いている」という声も。いずれにしても知っている場所がハリウッド映画に登場するなんてうれしいこと! そこで、日本を舞台にしたハリウッド映画をピックアップしてみました。

斎藤 香

執筆者:斎藤 香

映画ガイド



名監督たちを悩ませたTOKYOの撮影許可の厳しさ!


『キル・ビルPart1』(2003年度作品)

 家族を殺され、結婚式をめちゃくちゃにされたザ・ブライド(ユマ・サーマン)は、彼女だけを半殺しにしてとどめを刺さなかった元ボスのビル(デヴィッド・キャラダイン)の復讐に燃える! Vol.1は日本を舞台に復讐劇が繰り広げられますが、残念ながらオール東京ロケではなく、メイン舞台となる青葉屋のシーンは中国でセットを組んで撮影したそうです。一応、お台場あたりの道路が登場しますけどね。許可が厳しく、東京ロケを存分にできなかったのは残念ですが、日本刀、ヤクザ、チャンバラなど、クエンティン・タランティーノ監督が描きたかった日本は映し出されているし、監督の日本への愛を感じられる作品になっています。


監督: クエンティン・タランティーノ
出演: ユマ・サーマン、デヴィッド・キャラダイン、ダリル・ハンナ、ルーシー・リュー、 千葉真一、栗山千明ほか


『バベル』(2006年度作品)


モロッコ、アメリカ、日本で、1丁の銃が人生を結びつける物語。菊地凛子がアカデミー賞助演女優賞候補になったアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督作。日本ロケは許可が厳しく困難を極め、監督は相当苦労したようです。でも映画を見ると、わかってもらえない、満たされない、寂しい……という、負の感情を抱えたチエコ(菊地凛子)の佇まいは、ネガティブな東京の一面を浮き上がらせています。だからこそクラブで大胆なポーズを取ったり、マンションで涙したり、公園でブランコに乗ったりする彼女のシーンが忘れられないものになったのでしょう。ロケ地は、中央区勝どき、渋谷スクランブル交差点など。

監督: アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
出演: ブラッド・ピット、ケイト・ブランシェット、ガエル・ガルシア・ベルナル、役所広司 、菊地凛子、二階堂智ほか


ホテルの知名度をあげたオシャレなTOKYO映画


『ロスト・イン・トランスレーション』(2003年)


ソフィア・コッポラ監督がお気に入りのホテル「パークハイアット東京」を舞台にアメリカ人男女の淡い想いを描いた物語。忙しい夫にかまってもらえないカメラマンの妻(スカーレット・ヨハンソン)が、孤独なハリウッドスター(ビル・マーレイ)とホテルで出逢い、お互いシンパシーを感じて距離を縮めていく……。異国の地で孤独を感じる二人が恋と友情の間で揺れる浮遊感が、高層からの眺めにマッチしていました。日本人の描写が「ちょっと小馬鹿にしてない?」とムっとしますが、雰囲気作りのうまいソフィア・コッポラ監督はオシャレ映画として仕上げることに成功。ちなみに、この映画が評価されたことで、ハリウッドでパークハイアット東京の認知度が上がり、来日スターの指名率が上がったそう。新宿の量販店が並ぶ雑踏、渋谷のカラオケ、代官山、成願寺などで撮影。

監督: ソフィア・コッポラ
出演: ビル・マーレイ、スカーレット・ヨハンソン、ジョヴァンニ・リビシ、アンナ・ファリスほか

※次のページは、観光地とはひと味違う場所がロケ地に!という映画をピックアップ

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