TOKYOだけじゃない!ハリウッドが日本各地へ


『インセプション』(2010年度作品)


他人の夢に侵入してアイデアを盗む仕事をする企業スパイのコブ(レオナルド・ディカプリオ)が、サイトー(渡辺謙)の依頼で、ターゲットの潜在意識の中にアイデアを埋め込む作業“インセプション”を依頼され……というSFアクション。世界がひっくり返るような映像が洪水のように押し寄せるクリストファー・ノーラン監督作の中、静岡富士川周辺の茶畑と鉄橋が登場。監督が新幹線から見える景色が欲しいということで選んだ場所だそうです。ほか、六本木アークヒルズのヘリポートでも撮影。おまけ情報として、サイトーさんの和風のお宅セットが「なんだこれ?」というようなとんでもないジャパニーズスタイルになっているのも注目です。

監督: クリストファー・ノーラン
出演: レオナルド・ディカプリオ、渡辺謙、ジョセフ・ゴードン=レヴィット アーサー 、マリオン・コティヤール、エレン・ペイジ、トム・ハーディ ほか


『ブラック・レイン』(1989年度作品)


アメリカから二人の刑事(マイケル・ダグラス、アンディ・ガルシア)が殺人犯(松田優作)を日本に護送。ところが大阪空港で逃げられてしまう……という刑事サスペンス。大阪でもハリウッド映画への対応は厳しく、思うように撮影許可が下りなくて、リドリー・スコット監督は大変だったようです……が、さすが巨匠は違う! 大阪の街が『ブレードランナー』的な世界観に染められ、スタイリッシュな夜の街に大変身。限りある場所で最高の演出を施したスコット監督、スバラシイ! また松田優作の怪演も大絶賛され、いまだ優作ファンの間では語り継がれる映画となっています。

監督: リドリー・スコット
出演: マイケル・ダグラス、高倉健、アンディ・ガルシア、松田優作、ケイト・キャプショー、若山富三郎、内田裕也、國村隼、安岡力也、ガッツ石松、ジョン・スペンサー、ルイス・ガスマン、ジョン・コステロー、スティーヴン・ルートほか

『ミスター・ベースボール』(1992年)


ニューヨーク・ヤンキースから中日ドラゴンズへトレードされた大リーガー(トム・セレック)が、日本の球団で悪戦苦闘する姿を描く物語。他の映画は日本ロケに苦労していましたが、名古屋は撮影に大いに貢献! ナゴヤ球場での撮影、名古屋市民のエキストラ協力、中日系メディアの全面協力と大バックアップで撮影を盛り上げたそうです。また高倉健演じる内山監督のモデルは誰が見ても中日ドラゴンズの元監督、星野仙一だし、トム・セレックはいかにも助っ人外国人にいそうなタイプっていうのもおかしい。名古屋とプロ野球界がばっちり描かれた楽しい作品です。

監督: フレッド・スケピシ
出演: トム・セレック、高倉健、高梨亜矢、デニス・ヘイスバート、塩谷俊、アート・ラフルーほか


今回ピックアップしたのはほんの一部。カーアクション映画『ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT』、ジャン・レノ、広末涼子主演の『WASABI』、アッバス・キアロスタミ監督作『Like Someone in Love』、エマニエル・リヴァ主演で広島を舞台にした『二十四時間の情事』など、ハリウッドだけでなくヨーロッパ映画の中にも日本ロケ映画はあるのです。

とはいえ、日本を舞台にしながら、撮影は海外で~という作品は多く、それは予算もあるけれど、日本での撮影許可が下りない、厳しいというのが理由というのが大きい。クリント・イーストウッド監督作『硫黄島からの手紙』も日本での撮影はほんの一部。ほぼアメリカで撮影していますからね。

でも『ウルヴァリン:SAMURAI』を見ていると、その規制も徐々にゆるくなっている様子。アニメーションをはじめとする日本文化がこれだけ世界発信しているのだから、日本発のハリウッド映画をどんどん生み出してほしいですね。勘ちがいの日本もそれはそれでキッチュな味わい。楽しみなんですから!




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