太陽の光をエンタテインメントに
家の周囲には大小様々な樹木が植えられています。その多くは広葉落葉樹で、夏は日射を防ぎ、冬は葉が落ちて日光を通します。デッキにはヤマボウシのシンボルツリー。白い花を咲かせるエゴノキや赤く紅葉する山ツツジなど、季節の移り変わりも愉しめます。
また夏場の日射や西日を避けるため、植栽に力を入れています。葉の落ちる広葉落葉樹を適材適所に植えることで、夏場は遮光し、冬場は太陽光を室内にとり入れられます。
窓ガラスはもちろん「ペアガラス」を採用して、断熱性を高めて「冷輻射」を低減しています。冷輻射とは輻射熱暖房と反対の原理で、ガラスや壁面などの冷たいものが体温を奪う現象です。ガラス窓の大型化にともない、その作用も大きくなりますから、寝室などはむやみに窓を大きくしないことも冷輻射を防ぐ手段として有効です。
デッキを上から見たところ。ウッドデッキと大判タイルを組み合わせています。外部用のソファやテーブル、チェアなどを置くことで、デッキは「もう一つのリビング」に生まれ変わります。まわりを木の柵で囲み、周囲の視線を気にせずに思い思いの時間を愉しめます。
寒冷地の住宅というと、これまでは高気密・高断熱性能をいかに向上させるかに主眼をおいていましたが、SUKENOの実例は、その次のステップに入っていると感じました。自然エネルギーを活用しながら、外と内の関係を上手にコントロールしていくことは、これからの住宅全てに共通するテーマと思います。
取材協力:SUKENO、Webマガジン コラージ