おおきなかぶ (難易度★★☆)

このお話の面白いところは何だと思いますか?それは「うんとこしょ どっこいしょ」という言葉が繰り返し出てくることですよね。保育園の20人のクラスでこのお話を楽しむとしたら、何度も出てくるこの言葉を、みんなで大きな声で言うことが、子どもたちの楽しみにしているところだと思います。子どもたちが「うんとこしょ どっこいしょ」に向かってワクワクするような話し方を工夫する必要があるでしょう。

≪特長≫
登場人物のセリフのやりとりが無い。定型のパターンを繰り返しながら、最後に向かって徐々に盛り上がっていく。

≪難しいところ≫
絵を使わない素話、またセリフのやりとりも無い台本で、同じパターンを何度も何度も繰り返しながら、最後の「やっと かぶは ぬけました」に向かって、少しずつエスカレートしていく感じを伝えるためには、豊かな表現力が必要とされる。話し方や表情に変化が無いと、おはなしの面白さが全く伝わらない。すると『子どもが集中して話を聞けない』ということになり、試験での評価も低くなる。

にんじんさんがあかいわけ / にんじんごぼうだいこん (難易度★★★)

『お台所』にある身近な野菜の名前や、色の名前を、『せっかち』『がまん強い』『のんびり』な性格に結び付けて楽しむお話です。同じ作品でも複数の作者によって書かれたいくつかのバージョンがあります。民話調の語り口だったり、現代語でも日常の話し言葉とは少し異なる、絵本独特のニュアンスのある言葉遣いだったりするため、素話で味わい深く話すためには豊かな表現力が必要とされます。『試験で高い評価を得る』という基準で考える場合、難易度は高いと言えるでしょう。

≪特長≫
言語表現が日常の話し言葉とは異なり、独特のニュアンスがある。

≪難しいところ≫
絵を使わずに「まっか」「まっくろ」「まっしろ」など、色をイメージさせるには、どのような話し方をすればよいのか、よく考える必要がある。日常会話とはやや異なる独特な語り口なので、素話でも自然に心に響くような、味わい深い話し方を工夫する必要がある。


いかがでしょうか?たとえ絵本に『3歳児向け』と書かれていても、保育士試験の意図に合った表現をしやすいお話、または自分の表現力に見合ったお話、と、さまざまな観点で見ていくと、どれでも同じというわけではないことがおわかりいただけたと思います。

次回は、集団保育の場面で伝わりやすい言語表現の考え方を、例を挙げて解説します。

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