リムリックにある落ち着いた雰囲気の老舗パブでお酒を堪能
クラシックなインテリア、カウンターで話し込む老紳士
リムリックのメインストリートであるオコンネルストリートに位置するパブ「W.J.SOUTH」は、アイルランドがヨーロッパの中でも貧しい小国だった時代からあるパブ。リムリックでの少年時代を描いたフランク・マコート氏の自伝的小説「アンジェラの灰」にも登場します。このパブがアンジェラの灰の中に出てくることは地元でも有名で、私が訪れたときも、お客さんから「作品のファンなの?」と声をかけられたほど。
入り口はオコンネルアベニューとクインランストリートの両方にあります
クラシックなテイストでセンス良く飾られた店内は落ち着いた雰囲気。夕方から少しづつ増えてくるお客さんは、中年から年配の方が多く、楽しくおしゃべりをしに来ているという感じでした。みなさん自分のペースでゆっくり飲んでいるのも印象的でしたね。
若者がたくさんいる今風のおしゃれなパブももちろん楽しいのですが、こんなに素敵なインテリアでムードのいいパブはなかなかないので、リムリックに足を運んだ際はぜひ訪れてみてはいかがでしょう。
地方都市ならではのあたたかさも味わえる
1パイント4.50ユーロ、ハーフ2.50ユーロほどと、地方価格でダブリンより少し安め
「アンジェラの灰ウォーキングツアー」に参加した際にガイドのノエルさんにこちらのパブを紹介してもらった私。同書の著者フランク・マコート氏がはじめてパイントを飲んだという場所をじっくり見てみたくて再度訪れてみたのですが、一度踏み込んだらすっかり気に入り、リムリックに滞在した3日間、連続で訪れることに。お客さんはどの方も常連なようで、毎日顔を合わせることになった方も何人かいます。
夕方あたりかたパラパラと人が集まる
常連さんが多いからといって新参者をよそ者扱いするでもなくさりげなく会話に入れてくれたりと、とても気持ちよくギネスが飲めたのもいい思い出です。このあたりは、アイルランド人のキャラクターに輪をかけてあたたかい、地方の人たちの持ち味といえるかもしれません。
バーテンダーもクラシックな内装に合わせてパリッとした白いシャツにネクタイをしめており、いれてもらったギネスも味はもちろんグラスのたたずまいも美しく、プロフェッショナルの技を感じる一杯でした。また、真のリムリック子にいろいろなお話を聞けたりと、常連さん達のおかげで楽しいひとときが過ごせました。
2008年頃から続く不況によりリムリックのパブもたくさんつぶれてしまったそうですが、この歴史あるパブはいつまでもこの場所にあってほしいと思います。
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■W.J.SOUTH
住所:Quinlan Street, Limerick(ザクレセントのそば)
TEL:+353 61 318 850
営業時間:夕方から深夜まで