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いじめられている子の話を聞くポイントは日頃から本音で話せる関係を
日頃から本音で話せる関係を
今回は、いじめられている子、またはいじめられている可能性のある子の話を聞くときのポイントについてお伝えさせていただきたく思います。
いじめのことも含めて「本音でできる関係」をつくっておきましょう。自分の弱いことや困っていることを、気軽に話せる関係です。大人同士は、友情でも自立した関係がもとめられますが、子供の場合はいろいろなことにぶつかるのが当たり前、それを受け止めてあげて、一緒に共感できる関係が必要です。
ありのままを受け止めてあげる
子供は、大人が自分を信じてくれるかどうかを心配しています。「それは本当?」「あなたの思い込みなんじゃない?」という言葉や、「あなたにも悪いところがあるのではない?」という言葉は自分が疑われ、責められていると受け取ってしまいがちです。特にいじめで心が弱っている場合はなおさらです。責められると思うと、自分の都合の良いことしか話さなくなってしまいます。また、「そのくらいのことは気するな」や「なぜもっと早く言わなかったの?」「やられたらやり返しなさい」という言葉も禁句です。いじめられている子は、いじめを受けているうちに自分が悪いんだという気持ちになっていますので、責める言葉は、「やはり自分が悪いんだ」と失望させるだけなのです。
まずは、先入観や、大人の価値観を押し付けるのではなく、子供の感じていることを聞いてあげ、そう感じている子供の気持ちを受け止めてあげてください。ときには同じ話を繰りかえすこともあるでしょう。そういう場合でも、本人の気が済むまで話させてあげてください。話し続けているうちに、別のことを思い出したり、問題を客観的にみられるようになることがあります。
また、話を聞いてもらえることで、心が癒される場合もあります。大人にとっては「そんなこと」と思うこともあるかと思います。それでも、元気なときには笑っていられることも、心身ともに弱っているときには、衝撃をうけていることもあります。
子供の立場に立って聞いてあげましょう。そして聞いた後に、「私はあなたの味方だよ」と伝えてあげてください。励ますつもりで「頑張れ」というよりも「今まで辛かったね。」「今まで頑張ってきたんだね。」と認めてもらえる言葉の方が勇気付けられますよね。
加害者である可能性も含めてうけとる
そして、これも非常に難しいことではありますが、いじめ被害者であることを前提に話を聞いてあげてほしいのですが、実は加害者でもある可能性もあるということをどこかで心に留めておいてほしいと思います。現代のいじめは、いじめの被害者と加害者の立場が、入れ替わることがあります。
また、最初からすべてを話してはくれません。一部分を話して相手の反応を確かめます。その時の大人の受け止め方で、もっと話すか、ここでやめるかを決めます。対応を慎重にし、子供からできるだけ多くの話を引き出してあげましょう。
しつこくは聞きださない、直接的には聞かない
しつこく聞き出そうとしても打ち明けないこともありますし、直接「いじめられている」とは言わない場合もあります。「部活をやめたい」「転校したい」「学校をやすみたい」などということもありますし、脅されていたり、命じられて犯罪に加担させられている場合には、「話せない」場合もあります。何が不安で話すことができないのか聞いてあげて、できるだけ不安材料を取り除く努力をしてあげてみてください。
話しやすい人に聞いてもらう
ときには日常生活に関係がうすい人の方が話しやすい場合もあります。子供が話すことができるのでしたら、親戚、学校の先輩、電話相談、いじめられたことのある経験者など、話しやすい人に聞いてもらうことも一つの方法です。まずは、誰かに話せることが子供を救う第一歩だと思います。結論を急がず、本人の納得を得る
子供に納得してもらう
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