絵本/絵本関連情報

9月 遠足がもっと待ち遠しくなる絵本(2ページ目)

子どもたちが、とても楽しみにしている秋の遠足。そんな遠足が、もっともっと待ち遠しくなるような、愉快な絵本をご紹介します。ただし、絵本の中で活躍するのは、たくさんの動物や神様たち。いったいどんな遠足が描かれているのでしょうか……。

執筆者:大橋 悦子

お芋ほりに行く子には 『やきいもするぞ』

遠足でお芋ほりに行くお子さんには、『やきいもするぞ』をおすすめします。主人公たちは、遠足に行くわけではありませんが、お芋ほりへの期待が間違いなく高まる絵本です。

森の動物が集まって、落ち葉を集め、芋ほりをして、焼き芋大会が始まります。焼き芋大会が盛り上がりを見せるなか、あらあら、やっぱりあちらこちらで「おならの音」が……。焼き芋大会がおなら大会に変わってしまいました。ついには、愛らしいおいもの神様まで参戦して、おなら大会は大盛況です。さて、1番良いおならをしたのは、いったい誰でしょうか?

焼き芋からおならへの、定番の推移(?)は、子どもたち(特に男の子)にウケないはずがありません。大爆笑必至の絵本です。でも、この絵本の魅力はそれだけではありません。力強いタッチで描かれた表情豊かな動物たちや、山々の美しい紅葉を眺めるのも、楽しく見飽きないのです。そう思って、じっくり絵を眺めていたら、あらまあ、おいもの神様ったら、あんなとこにもこんなとこにも、姿を見せていらっしゃったとは!? どこもかしこも、楽しい絵本です。
 

遠足に行く前のテッパン絵本 『ぐりとぐらのえんそく』

自分の体ほどもあるリュックを背負って、遠足に出かけたぐりとぐら。お腹がすいて時計を見ると、まだまだお昼まで時間があります。そこで、体操やマラソンをして、お昼になるのを待つことにしました。2匹が野原を走っていると、足に毛糸が引っ掛かってしまいます。不思議に思った2匹が、その毛糸をずっと辿っていくと……。

大きなリュックを背負い、颯爽と歩く2匹のねずみは、それはもう元気いっぱいです。「くたばらないぞ ぐりとぐら」なんて掛け声をかけながら進むのですから、思わず「頑張って!」と声をかけたくなります。初めての遠足の前に、この絵本を読んでいる小さなお子さんなら、きっと、「僕も、私も、負けないぞ!」という気持ちがわいてくることでしょう。

お話の中で、ぐりとぐらは、歌ったり、走ったりと本当に楽しそうです。でも、1番の楽しみはお昼のお弁当のようですね。大きなリュックの中身は、それはそれは美味しそうなお弁当なのですから。もしかすると、子どもたちも、ぐりやぐらと同じようにお弁当を1番楽しみにしているのかもしれませんね。

この作品は、ぐりとぐらシリーズの中でも、とりわけリズミカルでテンポの良い文章が続きます。ぜひ、お子さんと一緒に大きな声を出して読んでみてください。お母さんも「お弁当作り、頑張っちゃおうかな……」なんて思うかもしれませんよ。

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