クロアチア/クロアチア基本情報

クロアチア・南部ダルマチア地方(2ページ目)

青くどこまでも澄み渡る美しい空とアドリア海、オレンジ色の屋根の家々、何百年もタイムスリップしたような錯覚に陥る石畳の細い路地……多くの人が持っているクロアチアのイメージは、ダルマチア地方といえるでしょう。今回は「アドリア海の真珠」と称される世界遺産の街ドゥブロヴニクも位置する南部ダルマチア地方をご紹介します。

小坂井 真美

執筆者:小坂井 真美

クロアチアガイド

静かな入り江の町
ツァブタット

ツァブタット

静かな入り江の町 ツァブタット     (C) Croatian national tourist board. Author : Sergio Gobbo

ドゥブロヴニクから約18Km離れた、静かな入り江に位置する小さな港町。多くの観光客で賑わうドゥブロヴニク市内とは異なり落ち着いた雰囲気が漂い、のんびりとした休日を過ごすことができます。ドゥブロヴニク郊外となりますが空港からも近く、ドゥブロヴニク市内行きのバスが定期的に走っておりアクセスは良好。

またドゥブロヴニク-ツァブタット間を運行する定期船や、周辺の島へのエクスカーションの船も出ています。

伝統的なダンスは必見
チリピ村

ドゥブロヴニク空港のすぐ近くにある小さな村。毎年5~10月頃まで、毎週日曜日に村の教会前の広場でフォークロアダンス(伝統的なダンス)が催されます。華やかな伝統衣装に身を包んだ人々が、音楽に合わせて楽しそうに踊る様子を楽しめます。このダンスは日曜日に教会でミサが終わった後に行われるのですが、昔は村の男性と女性の出会いの場となっていたのだとか。伝統的な刺繍やジャム、ラベンダーのポプリなど地元の人々の手作りのお土産を売る屋台も並び、楽しく和やかな雰囲気が村を包みます。この時期、ドゥブロヴニクへお越しの際はぜひお見逃しなく!

マルコポーロ伝説の島
「コルチュラ島」

コルチュラ島

マルコポーロ伝説が残る「コルチュラ島」(C)Croatian national tourist board. Author : Juraj Kopac

オリーブオイルやワインの生産が盛んなコルチュラ島。マルコポーロの伝説が残る島としても有名です。マルコポーロの生家だと言われている家が現存しており、島の観光スポットとなっています。ところで、マルコポーロはイタリア人だと学校で習いませんでしたか。どうしてクロアチアと関係があるのか……と言いますと、当時、コルチュラ島を含むクロアチアの沿岸部の一部はヴェネチア共和国の領土だったことに関係があるようです。

そもそも、マルコポーロの出生地については諸説あるようですが、もし彼が本当にコルチュラ島の出身なのであれば、正確には当時のマルコポーロはヴェネチア人。ですが現在、彼の故郷はクロアチアの領土なので彼はクロアチアのコルチュラ島出身ということになります。いずれにせよ、ここでもたくさんの国の影響や民族が交錯するクロアチアの歴史の一部を垣間見ることができます。

ちなみに、イタリアのヴェネチアにも“マルコポーロの生家”と呼ばれる場所があり、イタリアはマルコポーロはイタリア人だと主張しているよう。そんなことに考えを巡らせながらコルチュラ散策を楽しんでください。

次のページでは、ギリシャ神話の英雄や使徒パウロも立ち寄ったという伝説が残る美しい島をご紹介します。
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