老後の生活費は月20万~26万円ほど

総務省「家計調査」によると、60歳以降世帯の平均支出額は次のとおりです(平成26年9月末現在)。
・60~69歳の世帯 月24万9214円
・70歳以降の世帯 月20万487円

また、金融広報中央委員会の調査(平成25年)によると、老後の生活費として現役世代が見込んでいる金額は平均で月26万円ほどとなっています。

年金の平均受給額はモデル世帯で月22万6000円だが…

年金だけでは老後の生活費をまかなうことはできない

年金だけでは老後の生活費をまかなうことはできない

一方、年金受給額はどうなっているのでしょうか。日本年金機構によると、モデル世帯(後述)の年金月額は約22万6000円(平成26年11月現在)とのこと。

内訳は、夫の老齢厚生年金が約9万8000円、老齢基礎年金が約6万4000円、妻の老齢基礎年金が約6万4000円となっています。

ちなみにモデル世帯とは、夫が厚生年金に40年加入し、妻が第3号被保険者を含め、国民年金を40年納めた場合です。

実際の年金受給額はモデル世帯より少ない

一般にはこの数字が平均の年金額とされているようですが、モデル世帯のような条件の良い世帯は現実には少数派でしょうから、実際の年金額はもっと少なくなります。

実際の年金額の平均は、日本年金機構の統計(平成26年8月現在)によると次のとおりです。
・厚生年金 月14万7508円(20年以上加入の場合、基礎年金含む)
・基礎年金 月5万3418円

夫が会社員、妻が専業主婦というモデルに合わせた場合、平均の年金額は20万926円になります。やはりモデル世帯の年金額より少ないですね。60歳から69歳の支出額からみると、約4万8000円不足することになります。

年金支給開始の年齢によっては、さらに不足額が膨らむ

ただし、上の年金受給額やモデル年金額には、基礎年金を含んでいることに注意が必要です。

というのは、基礎年金は原則65歳から。上の例で考えると、60歳から65歳になるまでは夫の厚生年金しか受け取れないことになります。

金額をはっきり示した統計資料はありませんが、単純計算で上の基礎年金を含む厚生年金の額から基礎年金の額を引くと、約9万4000円ほどとなります。これをもとに計算すると、月の不足額は実に約15万5000円。60歳から厚生年金を受け取るとしても、5年間で約930万円が不足するという計算になります。

しかも、これから年金を受け取る男性の厚生年金の受給開始は61歳以降。年を下るごとに年金の受給開始年齢も遅くなります。60歳以後、1年から5年の間は完全に無年金となり、さらに不足額は増えます。

今後はマクロ経済スライドにより年金額がますます減る!?

さらに現在、年金給付水準の引き下げが進行中です。平成25年度から27年度にかけて、「特例水準の解消」が行われ、給付水準は2.5%引き下げられます。それが終わると、これまで凍結されてきた「マクロ経済スライド」がいよいよ全面的に動き出します。

マクロ経済スライドとは、年金額に少子高齢化による影響を織り込んで、物価が上がっても年金の伸びを抑える仕組みです。この仕組みにより、今後は年金がこれまで以上に増えにくくなります。

老後資金はしっかり貯め、できるだけ働き続ける

このように、年金暮らしで悠々自適、という生活はもはや過去のこととなってしまったようです。不足分は働いて勤労収入を得るか、預貯金などの金融資産を取り崩してまかなうしかありません。

高年齢者雇用安定法の改正により、厚生年金支給開始年齢までは希望者全員を継続雇用するよう企業は義務づけられています。60歳以降、働く場がある限りは働いて収入を確保すると同時に、老後資金をしっかりと準備しておくことが必須といえそうです。

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