老後の生活費は月23万~30万円ほど

総務省「家計調査(第3-2表 世帯主の年齢階級別1世帯当たり1か月間の収入と支出)」によると、世帯主が60歳以降世帯の平均消費支出額は次のとおりです(令和元年7月現在)。

・60~69歳の世帯 月30万969円
・70歳以降の世帯 月22万9201円

また、金融広報中央委員会の調査(家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 平成30年調査結果)によると、老後の生活費として現役世代が見込んでいる金額は平均で月27万円ほどとなっています。
 

年金の平均受給額はモデル世帯で月22万1000円だが…

一方、年金受給額はどうなっているのでしょうか。日本年金機構によると、モデル世帯(後述)の年金月額は、約22万1,000円(平成31年4月現在)とのこと。内訳は、夫の老齢厚生年金が約9万1000円、老齢基礎年金が約6万5,000円、妻の老齢基礎年金が約6万5000円となっています。ちなみにモデル世帯とは、夫が厚生年金に40年加入し、妻が第3号被保険者を含め、国民年金を40年納めた場合です。
 

実際の年金受給額はモデル世帯より少ない

一般にはこの数字が平均の年金額とされているようですが、モデル世帯のような条件の良い世帯は現実には少数派でしょうから、実際の年金額はもっと少なくなります。実際の年金額の平均は、日本年金機構の統計(平成31年4月末現在)によると次のとおりです。

・厚生年金 月14万5912円(20年以上加入の場合、基礎年金含む)
・基礎年金 月5万4847円

夫が会社員、妻が専業主婦というモデルに合わせた場合、平均の年金額は20万759円になります。やはりモデル世帯の年金額より少ないですね。60歳から69歳の支出額からみると、約10万円不足、70歳以降の支出額からみると約3万円の不足となりますね。ただし、あくまでも平均の金額から単純計算した数字ですので、家庭によって不足額は多くも少なくもなりえます。「うちではどうなるの?」をしっかり把握しておくことが大切です。
 

今後はマクロ経済スライドや年金額改定ルールの見直しにより年金額は増えにくくなる?

マクロ経済スライドとは、年金額に少子高齢化による影響を織り込んで、物価が上がっても年金の伸びを抑える仕組みです。また、2016年末に成立した年金額改定ルールも導入され、今後は年金がこれまで以上に増えにくくなります。
 

老後資金はしっかり貯め、できるだけ働き続ける

このように、年金暮らしで悠々自適という生活は、もはや過去のこととなってしまったようです。不足分は働いて勤労収入を得るか、預貯金などの金融資産を取り崩してまかなうしかありません。現在では再雇用の制度などで事実上の65歳定年が定着しつつあります。それ以降も、働く場がある限りは働いて収入を確保すると同時に、老後資金をしっかりと準備しておくことが必須といえそうです。

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