留学をしたり、上級の検定試験にパスしたりすると、「韓国語を仕事に活かせないか」と思い、「通訳」という仕事を連想されるのだと思います。
日本で専門的な通訳の勉強ができる場所は、当校のような語学学校や通訳斡旋業も行っているようなスクールなどに限られますが、韓国には通訳者を目指す人のための専門大学院があり、その大学院に入るための準備学院(학원)があります。
今回は、その専門大学院である「通訳翻訳大学院」と、その大学院に入るための「入試準備学院」について取り上げてみたいと思います。
入試準備学院とは
授業の予習復習だけでも精一杯!
単に「韓国語が上手」ということと、「通訳ができる」ということは全くの別物です。「通訳翻訳大学院」の入試科目では、メモリー(聞き取ったものを覚え、できる限りそのままの文章を再現する)などがあったり、高レベルの通訳や翻訳を求められることもあります。そのため、専門的な訓練が必要となり、合格するための「入試準備学院」が存在します。
もちろん、大学院進学に、準備学院に通っておくことが義務づけられているわけではありません。しかし、「試験の傾向と対策」を集中的に学べるため、現在は大学院を目指すほとんどの人が準備学院を利用しています。
準備学院で専門的訓練を始めるにあたっては、「韓国の語学堂の最上級を修了(優秀な成績で)」もしくは「韓国語能力試験の最上級6級に合格(すべての分野が高得点)」という条件は、最低条件として抑えておきたいところです。
準備学院としては、以下の様な学院があります。班編制、受講料など、下記サイトを参考になさってください。
・FJ語学院(FJ어학원)
・コリアヘラルド学院(코리아헤럴드학원)
準備学院に限らず、韓国の学院(학원)は「1ヶ月単位で更新する」という点が大きな特長です。各校、入試のための様々な班がありますが、半年、または一年ごとに開講するのではなく、タイミングの良いときに入学し、1ヶ月ずつ更新。本人が納得のいくまで学習を続けるシステムです。よって、数ヶ月で入試のタイミングを迎える人もいれば、1,2年かけて受験する人もいます。
とある学校の情報によると、一クラス100名近くのクラスもあるそうです。そして受講生の語学レベルは、学校にもよるかもしれませんが、聞くところによると「ほぼバイリンガル」とのこと。そう、クラスのほとんどを締める韓国人の日本語レベルは、私たちとほぼ同様だということですね。私たちの韓国語レベルも彼らの韓国語レベルに限りなく近付けておきたいものです。
そんなに多くの志願者がバイリンガルのレベルだと考えると、その世界に入っていくのがどれだけ大変か分かるかもしれません。しかし、毎年一定数の人は合格しているわけです。「毎年誰かは受かっているんだ。その中に絶対入るんだ」という気持ちで、頑張ってほしいです。
尚、準備学院では、語学堂や大学、大学院に通う場合発行される長期留学用の留学ビザは発行されません。日本人は3ヶ月滞在することができる観光ビザ(無ビザ、申請の必要なし)を利用するか、ワーキングホリデービザ等を利用する必要があります(詳しくは、「KONEST-ビザの種類」、「韓国留学専門社-韓国留学のためのビザ」などをご覧ください)。
「通訳翻訳大学院」は、どんな大学に設置されているのでしょうか。次ページで見てみましょう。