ベネチアの見所 1.ベネチア本島
ラピスラズリの文字盤と黄金の星座が美しいムーア人の時計塔。時間や潮の干満を知ることができる。この時はちょうど満潮で、高潮=アクア・アルタによってサン・マルコ広場は水浸しになってしまった
■サン・マルコ大聖堂
828年に守護聖人・聖マルコの遺骸を祀るために建てられた教会堂。現在のギリシア十字形・5つのタマネギドームを持つビザンツ式大聖堂は11世紀に再建されたもの。ポルティコのモザイク、内部の黄金装飾やモザイク、宝石を散りばめたイコノスタシス(衝立)など豪華絢爛。
■ドゥカーレ宮殿
ため息橋。夕刻、この下でキスをすると永遠に結ばれるんだとか
■リアルト橋
ベネチア本島をS字に流れるカナル・グランデにかかる4つの橋のひとつ。ルネサンス期の建築家アントニオ・ダ・ポンテの設計で、16世紀の完成。白大理石による豪華な造りで、中には宝石店などの露店が並んでいる。
■サンタ・マリア・デッラ・サルーテ教会
カトリックの教会堂としては珍しい正八角形の建物。ビザンツ建築に見られる集中式(点対称形)と、ルネサンス・バロックの象徴である巨大なクーポラを組み合わせた美しい教会で、17世紀にペストの大流行が沈静化したことから聖母マリアに感謝するために建てられた。
■サンティ・ジョバンニ・エ・パオロ教会
ゴシックの繊細な装飾と柱が美しいカ・ドーロ
■邸宅群
ベネチアには中世に名を馳せた貴族や大商人たちの邸宅も数多く残されている。代表的なのは、繊細なゴシック建築が美しいカ・ドーロ、美術館として公開されているカ・ペーザロやカ・レッツォーニコなど。
■アクア・アルタ
近年問題になっている高潮で、満潮や海から吹く季節風シロッコなどの要因が重なったときに観測される。冬に多く、地盤沈下と温暖化による水位上昇の影響で近年頻度と程度が増したといわれる。サン・マルコ広場が水没するとギャング・ウェイと呼ばれる簡単な歩道橋が組み立てられる。
ベネチアの見所 2.潟の島々
カラフルな色使いが美しいブラーノ島の街並み。男たちが漁師として海に出ている間、女たちはレース編みを行っていた。それが発達してベネチアン・レースの街として知られるようになった
■ジュデッカ島
アンドレア・パラディオ、アントニオ・ダ・ポンテが設計したレデントーレ教会がある島。サン・ジョルジョ・マッジョーレ島と並びの島で、中世のかわいらしい家並みが連なっている。海岸沿いにはイタリアン居酒屋が並んでいる。
■サン・ジョルジョ・マッジョーレ島
サン・ジョルジョ・マッジョーレ教会。左が鐘楼で、右の白い部分が大理石ファサード
■トルチェッロ島
ベネチアの起源といわれ、ヘミングウェイが愛したことでも知られる島。5~6世紀から入植が始まったが、現在ここで暮らすのは10戸程度という落ち着いた街並みが広がっている。サンタ・マリア・アッスンタ聖堂は7世紀にで遡る歴史を持つベネチア最古の教会で、初期キリスト教時代の美しいモザイクで知られる。
■ムラーノ島
大航海時代以降の東方貿易の衰退と、ナポレオンによる支配を受けて力を失ったベネチアは、以後ガラス細工やレース細工などの手工業で没落を免れた。ムラーノ島には数多くのガラス工房があり、ベネチアン・ガラスを製造する様子を見学することができる。
■ブラーノ島
中南米やアジアのコロニアル住宅のようなカラフルな色使いの家並みが続くのがこの島。その昔、漁師たちが深い霧の中でも自分の家がすぐわかるように、派手な色に塗り替えたのだそうだ。繊細なベネチアン・レースで知られており、こちらも工房で見学できる。
■リド島
トーマス・マン著『ベニスに死す』の舞台で、ベネチア国際映画祭が開催される島。細長い島で、その南にアドリア海が広がっている。ビーチ・パラソルとかわいらしい小屋が独特の景観を生み出している。