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任天堂が2DSを発売する狙いとは?(3ページ目)

秋に海外でニンテンドー3DSの新モデルが発売されるようです。なんと、安くなった代わりに裸眼立体視機能を削除した3Dじゃない3DS、その名もニンテンドー2DS! ニンテンドー3DSの代名詞とも言える裸眼立体視機能を削除してしまった2DS。そこまでして低価格モデルを発売する任天堂の狙いとは、なんなのでしょうか?

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

ゲーム業界ニュースガイド

ポケモンで世界中の子ども達を狙い撃ち

ポケモンの図

3DS最強のキラータイトル、ポケモンの最新作と同時に2DSが投入されます(イラスト 橋本モチチ)

様々な機能を削ってまで安いモデルを投入と聞くと、海外で3DSが売れていないからなんとかテコ入れをしたいのだろう、と感じる人もいるかもしれません。確かに絶好調の日本と比較すればまだ海外の動きは鈍いのですが、実は「ルイージマンション」や「とびだせ どうぶつの森」などのヒットにより、ここにきて好調に動き始めています。

この勢いに乗って一気に3DSを普及させるキラータイトルとして期待されているのが、3DSで初めて登場するポケットモンスター(以下ポケモン)シリーズ最新作、「ポケットモンスターX・Y」です。発売日は、10月12日に世界同時発売。さて、お気づきでしょうか。そうです、2DSの発売日と同じなんですね。

ここまでお話すれば、任天堂のシナリオは大分読めてきます。2013年前半から、有力タイトルを次々に投入して市場を活性化。秋には絶対的キラータイトルのポケットモンスターX・Yを発売、同時にこれまで価格がネックで動かなかった層を取り込むために機能を削除した廉価版モデルを投入。年末商戦で一気に普及拡大を狙う、というところでしょう。

大人のゲーマーであれば、軽さやカバンに入れやすいサイズ、見た目も重要ですが、子どものプレゼント需要となれば話は大分変わります。それこそポケモンで対戦や交換がしたいから1人1台、ということになれば、2DSならなんとか2台買ってあげてもいいかも、なんていう場面もあるかもしれません。

裸眼立体視が無く、本体を畳めない2DS。突拍子もない奇策を打ってきたようで、実は丁寧に市場を観察して死角を潰しに来ているようにも感じられます。ゲームハードは安いだけでは売れません。しかし任天堂は、ソフトラインナップを充実させ、キラータイトル発売と同じタイミングで、廉価モデルを仕掛けることで、より広い層の獲得に打って出るようです。

ここまで大胆に機能を削った2DSに果たして市場はどう反応するのか? 全世界で3DSは大きく飛躍することができるのか? 年末商戦は日本だけでなく、海外の市場にも注目ですね。

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