海外旅行保険においていわゆる紛失は携行品損害として保険金が支払われません。携行品損害で保険金の支払い対象となるケース、ならないケースを確認しておきましょう!
海外旅行保険で携行品の紛失は対象?
海外旅行の携行品に関する事件発生数は突出!
海外旅行保険には、病気や怪我による死亡や治療全般、賠償責任、携行品、航空機の遅延など、さまざまな補償が付帯されています。海外旅行中に病気や怪我で死亡したり、入院や手術で高額な治療費が必要になったりするケースは、本当に大変な事態です。引ったくりなどの軽犯罪はこうしたことに比べるとまだましですが、発生件数は抜きんでています。
海外邦人援護統計(2018年)による発生件数の事件別の内訳は、窃盗被害が3,968件(19.2%)
遺失・拾得物が3,514件(17%)。と、携行品や持ち物に関係する事案が約36%と件数ベースでは突出しています。
携行品損害が海外旅行保険の対象となるケース、ならないケース
海外旅行保険で携行品の損害が発生した場合、対象になるケースと対象にならないケースがあり、これが原因でよく契約先の保険会社とトラブルになることも珍しくありません。トラブルになる理由は「なぜ保険金が支払われないのか?」というものです。保険金の支払い対象になるかどうかは契約内容を確認しておけば分かることですが、いちいちそこまで確認しない人が多いのも実際のところでしょう。携行品損害のポイントは主に次の点です。
■携行品の損害で保険金が支払われるケース
……引ったくり、盗難 など
■携行品の損害で保険金が支払われないケース
……紛失、置き忘れ など
自分でどこかになくしてしまったり、うっかり置き忘れてしまった場合などは、引ったくりや盗難などのように事件・事故性があるものとは違います。
故意にこうしたことをする人が出てくる恐れもあるためため、これを保険で対処するのは難しいのです。冷静に考えれば理解できるかもしれませんが、渡航先で大事な持ち物を紛失して気が滅入っているところに保険金ももらえないとなるとストレスになるでしょう。
海外旅行保険で紛失等のリスクを減らすには
海外旅行では携行品の紛失にいつもより気を配って注意を
海外旅行の同行者がお互いに、これらのケースでは保険金の支払い対象にならないという意識を持っているだけでも違います。お互いに気をつけ合いますからね。
日本にいると、カフェなどで自分の荷物やスマホなどを置いて席を離れる人をよく見かけますが、海外なら盗んでくれと言っているようなものです。
海外旅行に慣れているかどうかによっても、この辺りの感覚は温度差があるでしょうが、何人かで海外旅行に行っているなら、お互いに注意する意識が必要です。
海外旅行保険の内容をよく確認することが必要
契約内容を確認しましょうとよく言われます。しかし、保険に慣れていない人からすれば、結構面倒なことであるのもまた事実です。契約内容を隅から隅まで熟読しなさいとまでは言いませんが、少なくともどんなときに保険金が出ないのかという欄は一読しておいてください。事前に分かっているかどうかだけでも、何かあったときにストレスの溜まり具合が格段に違います。
有名な観光地であっても、ひったくりなどの軽犯罪はあります。統計でみたように命に関わるものではないにしても、携行品にかかる保険金請求は数が多いのが特徴です。お金で買い直せば済むものならまだいいですが、個人情報の入ったスマホや財布、パスポートなどを盗まれるとその後が大変です。
海外旅行保険の契約内容で保険金の出ないケースを確認しておく、現地で可能な範囲で注意する。この2つで、この記事にあるトラブルは多少なりとも軽減することは可能です。
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