絵本/絵本好きを育てる「ひざ読」のすすめ

「ひざ読」から絵本の世界を拡げよう

お子さんが、膝の上で絵本を読めるようになったら、次は絵本の内容を楽しむだけの読み聞かせから、現実の世界へと絵本の楽しみ方を拡げていきましょう。これまでとは違う絵本の新しい楽しみ方が見つかりますよ。

執筆者:大橋 悦子

 絵本が子どもの世界を拡げていく 

お子さんが、膝の上で絵本を読めるようになったら、次は絵本の内容を楽しむだけの読み聞かせから、現実の世界へと絵本の楽しみ方を拡げていきましょう。例えば、絵本片手に自然観察をしたり、絵本に登場するお菓子を親子で作ってみたり……。そういった経験を通じて、親子の絆が深まり、これまでとは違う絵本の新しい楽しみ方が見つかるかもしれません。

戸外でも絵本を楽しもう!

外で本を開く女の子の画像

絵本を持って戸外へ飛び出せば、それだけで絵本の世界が広がります

「ひざ読から絵本の世界を拡げよう」と聞くと、何やら難しそうなイメージを抱かれるかもしれませんが、そんなことはありません。つまりは、ひざ読で養った親子のコミュニケーションを深めながら、絵本をもっと楽しもうということです。「でも、どうやって?」という疑問に、具体的にお答えします。まずは、絵本を片手に野原へ飛び出してみましょう。

■『じっちょりんのあるくみち』を利用して
『じっちょりんのあるくみち』の表紙画像

不思議な生き物じっちょりん。本当にいるのかなあ……

じっちょりんは隠れるのが得意で、猫が苦手な、妖精のような生き物です。

じっちょりんは、草花の花びらや葉っぱ、花粉や蜜などを食べて生きていますが、種だけは食べません。なぜかって? ドングリの帽子で作った種かばんに種を貯めておき、種がいっぱいになるのを待ってその種を蒔くからです。ある日、帽子が種でいっぱいになったので、一家はパパじっちょりんを先頭に町へと出かけます。

大切な種蒔きの日のじっちょりん一家を、まるでテレビのドキュメント番組のように追いかけながらお話は進みます。一家は、猫や犬に遭遇したり、女の子に見つかりそうになったりといった危機を乗り越えながら、町なかの小さな隙間に花の種を蒔いて回ります。

こんな夢いっぱいの楽しい絵本を読んだ後なら、お定まりの図鑑ではなく、そのままこの絵本を持って散歩に出かけるのはいかがでしょう? どうせ出かけるなら、帽子をかぶり、大きな虫眼鏡をポケットに忍ばせて、不思議な生物「じっちょりん」を求めて、野原や街を進む探検隊に親子で大変身してしまいましょう。

いつも絵本を読む時は、現実の世界から空想の世界に遊びに行くわけですが、この探検隊は、空想の世界をスタートに現実の世界で遊びます。付き添う大人がノリノリの対応(!)をすれば、万一じっちょりんを発見できなくても、たくさんの小さな生き物たちに出会えるはずです。それだけでも、なんだかワクワクしてきますね。

【書籍DATA】
書籍名:じっちょりんのあるくみち
著者:かとうあじゅ
価格:1404円(税込み)
出版社:文溪堂
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>> 次は、家の中でも拡がる絵本の世界の実例を見てみましょう
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