オーディオプレーヤー/オーディオプレーヤーの選び方

ネットワークオーディオとは?

レコード、カセット、CD、MD、HDDにメモリーなど、音楽を聴く仕組みや機器は進化してきました。そして今、話題なのが「ネットワークオーディオ」です。オーディオブーム再来の予感!

鴻池 賢三

執筆者:鴻池 賢三

オーディオ・ビジュアルガイド

パイオニア N-30

ネットワークプレーヤー パイオニア N-30

音楽を聴くと言えば、今やiPodに代表される携帯型音楽プレーヤーや、iPhoneをはじめとするスマートフォンに、イヤホンを挿すスタイルを思い浮かべる方が多いでしょう。

CDやMDを愛用している方、30歳代以上の中高年なら、カセットテープやレコード派という方もいるかもしれません。

そして今、リスニングスタイルの進化型として話題になっているのが、「ネットワークオーディオ」です。

今回は、この最新のネットワークオーディオについて、概要、仕組みや利点、必要な機器などをご紹介します。

ネットワークオーディオとは?

厳密な定義はありませんが、主にLANを利用し、HDDなどのストレージに蓄積した音楽ファイルを、ネットワーク上の対応プレーヤーやパソコンなどで再生するリスニングスタイルを指します。

また、手元のスマホやタブレットに入っている音楽を、ネットワーク経由で、据え置き型オーディオで楽しむスタイルも、ネットワークオーディオと呼んで良いでしょう。

ネットワークでは様々な機器同士を接続する事になりますが、DLNAというガイドラインに基づくオーディオプレーヤー、PC(ソフトウェアで対応)、スマホ/タブレット(アプリで対応)、ストレージであれば、原則、メーカーやモデルの違いを心配する必要はありません。

メリット1 どこでも聴ける自由

ネットワークで繋がっていれば、音楽を聴く場所は、音楽ファイルの保存場所に縛られません。例えば、書斎のPCに蓄積している音楽を、リビングや寝室のオーディオで楽しむ事も可能です。

メリット 2 メディアに縛られない自由!

CDやMDなどのメディアに収録された音楽は、他の部屋で聞きたい場合、メディアを持ち運ぶ必要があります。枚数が多くなると移動も面倒ですし、聞いている最中に「あのCDを持って来るの忘れた!」、というケースもありがちです。ネットワークオーディオなら、そんな心配は無用です。

メリット3  CDを超える高音質も楽しめる!

CDやMDなどの有形メディアでは、どのメーカーのどのプレーヤーでも再生できるように、共通のルールが「規格」として厳密に決められています。言い換えると、CDやMDは、"器"が決まってしまっているので、それぞの"器"を超える高音質で収録する事は出来ないという限界もあります。

一方、ネットワークオーディオの場合、パソコンを含むプレーヤーの多くは、既にCDの音質を遙かに超える「ハイレゾ」とも呼ばれる高音質フォーマットの再生が可能で、将来、新しいフォーマットが登場すれば、アップデートで対応できる可能性もあります。

*「ハイレゾ」については、記事「ハイレゾ音源とは?」で詳しく解説しています。


ネットワークオーディオの機器構成

ネットワークオーディオは、通常、宅内のLANを使用します。LANを既に利用しているとすると、追加で必要になるものは以下の通りです。

プレーヤー:
ネットワークオーディオプレーヤー、パソコン(プレーヤー)のどちらか。

音楽データを蓄積するストレージ/サーバー:
パソコン(サーバー)、タブレット端末、NAS(LANに直接接続できるHDD)など。


ネットワークオーディオ 製品例

ネットワークオーディオを楽しむために必要な機器を、カテゴリー別にご紹介しましょう。

■プレーヤー

プレーヤーには、様々な形態があります。ミニコンポやアンプにネットワーク再生機能を搭載したもの、ネットワーク再生専用機、その他の多機能製品など、広がりを見せています。

・ミニコンポ代表 Panasonic SC-PMX9
LAN/WiFiに対応したミニコンポシステム。再生は業界標準のDLNAに加え、AppleのAirPlayにも対応。その他、Lightningドック、USB、Bluetooth接続機能にも対応するなど多彩。音声フォーマットは最高192kHz/24bitのFLAC/WAVファイルに対応するなど、ほぼ全部入りの多機能モデル。音質も評価が高く、価格も実売4万円前後と手軽で、入門ユーザーにおすすめです。

・専用機代表 パイオニア N-30
手持ちのオーディオシステムと組み合わせて使用する、LANの対応ネットワークオーディオ専用機です。再生は業界標準のDLNAに加え、AppleのAirPlayにも対応。そのほか、パソコンからの音楽を直接USB接続して高音質で再生する「USB-DAC」機能も搭載。専用機は比較的高価ですが、音質面での拘りが多く、マニアユーザーにおすすめです。

・AVアンプ代表 オンキヨー TX-NR626 
ホームシアターに使用するAVアンプは、ほぼ全メーカーの全機種が、DLNAに準拠したネットワークオーディオ再生機能に対応しています。AppleのAirPlayにも対応した製品もあります。ホームシアターを検討中の方は、ネットワークオーディオ機能を搭載した製品の中から、自身の希望を満たすモデルを選ぶと良いでしょう。

中でもオンキヨー製品は先進的で、DSDファイル(記事ハイレゾ参照)もネットワーク経由で再生できるなど、注目を集めています。

・多機能製品代表 Apple TV
AirPlayに対応しています。手軽にiPhone、iPad、iPodの音楽を、AppleTV経由でテレビや手持ちのオーディオで聞くのも、ネットワークオーディオの1つの形と言えるでしょう。Apple TVはコンパクトで安価なのもポイントです。

■サーバー
パソコンもサーバーにできますが、電源を常にOnにしておかなくてはならないので、ネットワークオーディオを本格的に始めるなら、パソコン無しに単独でネットワーク上のサーバーとして機能するNASの導入をおすすめします。

・バッファロー LinkStation LS420D0402
4TBの大容量。DTCP-IPという規格にも対応し、レコーダーの外部記憶装置として、放送番組を蓄積する事もできます。

・IOデータ HDL-A2.0/E
容量2TB。手頃な容量で価格面でも手に届きやすい。スリムで美しい外観も魅力。
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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