おけいこ/おけいこを選ぶ

生け花教室の選び方……はじめての華道で押さえたいポイント

生け花教室を探している方や、華道を始めたい方は必見! 300以上ある流派のなかから、自分にピッタリの流派を選ぶコツや、揃えておきたい道具の相場の金額など、「華道・生け花」について、気になるおけいこのポイントをすべてご紹介します!

山口 佐知子

執筆者:山口 佐知子

恋愛・おけいこガイド

お花のことを習うなら、2つの選択肢があります

生け花教室に通い始めるときのポイント

「余計なことをなにも考えずに集中する時間が持てると心がスッキリします」と、華道・生け花に教室に通う人が増えています

 「お花のことを習ってみたい」と思ったとき、大きく分けると2つの選択肢があります。ひとつは、フラワーアレンジメントやプリザーブドフラワーなど洋風のもの。もうひとつは、華道・生け花の伝統的な和ものおけいこです。

フラワーアレンジメントはオアシスと呼ばれる吸水性のスポンジなどを使って、どこから見ても美しく見えるように、フォルムをデザインしながらお花を形づくっていきます。プリザーブドフラワーは、普通に飾るよりも長持ちをするように生花に特別な加工をして作るもの。一方の華道・生け花は、空間を意識しながらお花が持つ本来の美しさを表現して作品をつくります。

華道・生け花は、クラシカルな魅力が定番の人気を誇っていますが、茶道と同様に流派の多さで迷ってしまうことが多いという声をよく聞きます。というわけで、ここで華道・生け花の流派について簡単にご説明しましょう。
   

生け花には、どんな流派があるの?

流派が細かく分かれていることでも知られている華道・生け花ですが、その数は現在300以上ともいわれています! その昔、木の枝をY字型にしたものを剣山のかわりにしてお花をさしていた時代から今にいたるまで、様式や技法は少しずつ形を変えながら広まってきたという華道・生け花。

なかでも「池坊(いけのぼう)」「草月流(そうげつりゅう)」「小原流(おはらりゅう)」は三大流派と呼ばれ、日本の代表的な流派となっています。三大流派以外でも、すべての流派に共通していえることは、「今ある花材を使い、それぞれの約束ごとにしたがって自在に生かして花を楽しむ」ということ。大勢の人が「楽しい!」と思うことは、何百年たっても自然に伝えられていくものなんですね!
 
■華道・生け花「三大流派」の特徴は?
【池坊】
・立花、生花、自由化という決まったパターンのスタイルがある
・草木が持っている特徴を見極めて、“草木”の個性を活かすこころを学べる
【草月流】
・形式にとらわれず、“活ける人”の個性を活かしたスタイル
・時代とともに変化することをいとわないため、自由な感性を磨ける
【小原流】
・盛花、瓶花、花意匠をはじめ、いろいろなスタイルがある
・表現方法が多様なため、生活空間に活かせる華道・生け花を学べる
 

生け花教室で、自分に合った流派を見つけるには?

お仕事帰りに1時間、お花に触れる時間があるだけでストレス解消になる華道・生け花のおけいこです

お仕事帰りに1時間、お花に触れる時間があるだけでストレス解消になる華道・生け花のおけいこです

300以上の流派がありながら、周りを見渡すと習っている人の数の多さでは圧倒的に三大流派が占めている理由は、「教室の数が多い」ということ。教室の数が多ければ、それだけ習いやすいということにもなるからです。

「習いやすさだけで流派を決めるのは、ちょっと物足りないかも……」と思う人におすすめなのは、デパートや公共の会館などで展示されている、それぞれの流派が開催する無料のイベントを見に行ってみることです。実際に作品に触れてみると、言葉だけでは伝わりにくい、各流派の微妙なニュアンスの差がわかるので流派選びの参考になります。

ただし注意したいのは、イベントに出品されているようなゴージャスな作品を活けるのが、通常のおけいこのスタンダードではないという点。一般的なおけいこは、季節ごとの花材を使って1~1.5時間で活け方をコツコツ習うのが基本です。一方、イベントでは特別な花器や花材を使ったり、いつもより時間をかけたりしてスペシャルな作品を作りあげていくケースが多いのです。

もちろん、各流派の教室を見学するのも先生や通っている人たちの雰囲気をダイレクトに感じられるので、自分に合った流派を探すには近道といえるでしょう。
 

生け花を始める前に揃えたいものは?

持っておいて便利な道具は、花や枝を切るための「花ばさみ」、お花を持ち帰るために包む「花合羽」と入れ物の「花袋(フラワーバッグ)」の3点でしょう。

お教室の指定のものがないようなら、花合羽と花袋をお気に入りのものにするとおけいこに通うのが楽しくなりこと間違いなし! それぞれの値段の相場は、花ばさみは2000円前後、花合羽は500円前後、花袋は1000円前後で購入することができます。

おけいこをはじめるうちに揃えたくなるものとしては、「花器」や「剣山」です。おけいこでは教室から借りて活けることができても、持ち帰ったお花を自宅でも再現するためには必要になるからです。

こちらは、通うことになる教室の先生や生徒さんに様子を聞いてみてから揃えていくといいでしょう。
 

その他、生け花・華道に関するよくある質問集

このほかにも華道・生け花のおけいこの基本や流派のことについて、よく寄せられる質問についてお答えします。

Q.流派によって先生のタイプに違いはあるの?
A.同じ流派でも先生のタイプは異なります
流派内に統一されているお約束ごとが一緒でも、先生によっておけいこの雰囲気がかなり違うのは、学校の授業と似ているかも。多くの生徒さんが「先生との相性は大事」と言うように、流派よりも教室選びや先生との出会いを重視するという声もアリ!

Q.教室によって費用に差があるのは、なぜ?
A.花材費が含まれているか、チェックをしましょう
毎月かかる月謝のほかに、おけいこのたびにかかる花材費があるところも多いでしょう。花材費もクリスマスやお正月など、特別な花や枝を使うときは通常より高額になるケースもあります。念のため、どのくらいの花材費がかかるのかを事前に確かめておくと安心でしょう。

Q.お花のおけいこをすると、どんなメリットがあるの?
A.お花のある暮らしは、思っている以上に心が癒やされます
ストレスフルな環境にいたり、お疲れ気味な毎日を送っていたりする人には特におすすめしたい華道・生け花のおけいこ。昨日、活けたお花のツボミが、翌朝起きたときに開花しているのを発見すると「あ。とりあえず、私も今日、がんばってみるか……」と、地味ながらも元気な気持ちになります!


華道・生け花のおけいこをはじめると、驚くべきことに1年で日本の四季に咲く代表的な花の名前を自然に覚えてしまいます。そうやって身近なところから日本のことを知るのも心が豊かになったようで、充実感を味わうにはピッタリの習い事でしょう!

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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