2013年前半のイヤホン市場は、比較的穏やかに過ぎた印象があります。誰が何と言おうとこれが優勝!的な大ニュースモデルとしては、ヘッドホン関連のイベントでファンが殺到した「シュア SE846」が思い浮かびますが、残念ながら正式な発売時期の関係で今回は見送り。また個人的にはクリプシュの「Image X7i」なども推したいところですが、12月発売のホワイトモデル以前にブラックモデルが発売されていたため、これも除外しました。

とはいえ、魅力的なイヤホンが登場しなかったわけではありません。オーストラリアの「オーディオフライ」のようにフレッシュなブランドの出現や、2万円前後の手頃な価格帯に注目すべきモデルが見られたこともあり、ヘッドホン・イヤホン好きとしては十分に満足できる上半期だったのではないでしょうか。

第5位
エクストリームスポーツを楽しむための、ズレないイヤホン
パイオニア BASS HEAD SE-E751

SE-E751(ゴールド)

大きな耳かけが特徴の「SE-E751」(ゴールド)

第5位には、パイオニアのエクストリームスポーツ対応イヤホン「SE-E751」を選んでみました。エクストリームスポーツのように身体を激しく動かしてもズレたり外れたりしにくいのが特徴です。

店頭で見かけてオオッと目をひいたのは、ブーメランのような形をした大きな耳かけフック。写真で見るよりも存在感がありますし、とくにブラック(パイオニアではゴールドと表記していますが)モデルの男臭さといかにもタフそうなルックスはインパクト満点です。

ただ単に大きな耳かけフックを付けました、だけではない、本気で作り込んだズレ防止メカニズムも効果的です。ハウジングを耳かけに固定している部分にボールジョイントを設けた「ACTIVE FIT」機構により、イヤーピースの角度が自在に動くのです。これなら、耳たぶの形状も耳穴の向きも頭のサイズも選ばず、多くの人にフィットさせられるはず。

ただこの機構、装着にはそれなりの慣れが必要です。イヤーピースを耳にネジ込みながらフックをねじって収まりを微調整しないと違和感が残るのですが、ピタッと収まる位置を見つけてしまえば、耳をガッチリ抱え込むような頼もしい装着感が得られます。ただ、この大きな耳掛けがあるがゆえに、筆者が困ったのはメガネとの相性。テンプルの太さや厚さによっては違和感が強く出ますので、メガネをお使いの方は購入前に店頭で必ず試用すべきでしょう。

この密着力に加え、さすがスポーツ用とうならせてくれるのが、一部をバネのようなカール構造としたケーブルです。ケーブルを後頭部に回すように装着すれば、スポーツ中にバタつくことがありませんし、ケーブルがピンと張ってイヤホンがずれてしまうこともありません。保護等級IPX2の防水設計も施されていますから、大量に汗をかいても気を使わずに使い倒せます。

これだけ凝った機構が盛り込まれているのに実売価格は4,000円台。なので正直、サウンドをうるさく云々すべきモデルではありません。とはいえ、そこはさすがパイオニア。ドスドス来る迫力の重低音とクッキリした中高音で音楽を元気一杯に楽しめます。また、密閉カナル型ということで、インイヤー型より音漏れが少ないのもメリット。電車の中でも(常識的な音量なら)周囲に気兼ねなく聴けます。

SE-E751(ホワイト)

パイオニア SE-E751(ホワイト)

 


■パイオニア SE-E751

【主要諸元】
型式:密閉型、ドライバ:9mm、出力音圧レベル:108dB、再生周波数帯域:4Hz~26,000Hz、最大入力:100mW、インピーダンス:32Ω、質量:約18g(コード除く)、ケーブル長:約120cm(伸張時約150cm)

希望小売価格:6,200円