守るパワーを実感する使い心地!
向かって左(右足)がM.モゥブレィ プレステージ クリームナチュラーレでお手入れしたもの、向かって右(左足)がイングリッシュ ギルド ビーズリッチクリームでお手入れしたものです。どちらも無色を用いましたが、後者の方が若干濃く仕上がっているのがお解りいただけるでしょう。
1. 手に触れた感触
どちらも独特の弾力があるのですが、なんて言うのか、スイーツに例えるとモゥブレィ プレステージが空気を多く含んだムースのようなふわっとした質感であるのに対し、ビーズリッチクリームはプリンと生チョコを足して2で割ったような、見た目はプルンとしていながら一度手に取るとトロッと溶ける的な感触です。おそらく用いている蝋分や油分の違いや、それらと水分との配合バランスの違いが、この差に表れているのでしょう。
2. クリームの伸びと浸透性
モゥブレィ プレステージはまるで顆粒が水にさらっと溶けて行くような軽快な伸びである一方、ビーズリッチクリームは油がスーッと滑らかに染み込んでゆくような使い心地です。ブラッシングやその後のから拭きの感触も同様。どちらも抜群の浸透性に大差は無く、ごく少量で靴全体に十分行き渡ってくれるので、ついつい多めに使ってしまいがちな点はご注意あれ!
3. 革の光沢の出方
これが両者の一番の違いでしょう。モゥブレィ プレステージが抜けの良い、奥深くも透明感のある光り方をするのに対し、ビーズリッチクリームはそれより重量感のある、肝の据わったとでも言うべきコクのある光沢が出て0.5トーン程度濃い印象に仕上がります。地肌を活かした陰影の表現力に優れるモゥブレィ プレステージに比べ、より厚みや均質感のあるモチッとした迫力がビーズリッチクリームを塗った面からは感じ取れます。
向かって左はM.モゥブレィ プレステージ クリームナチュラーレ、向かって右はイングリッシュ ギルド ビーズリッチクリームをそれぞれ同量、ジョッター用紙に塗って暫く乾かしたものです。後者の方がより表面が光っていますよね。前者より油分・蝋分を多目にチューンしている証拠?
総じて申せば、モゥブレィ プレステージがアッパーの革の持ち味を「自然にかつ瑞々しく活かす」ポリシーの商品であるに対し、新たに発売されたビーズリッチクリームは、それを「護り抜く」方向性に優れた靴クリームだと言えます。変なたとえかもしれませんが、前者が採れたての有機野菜だとしたら、後者はちょっとだけ熟成させた牛肉のステーキ。美味しいことには変わりがないけど、食べたい状況が全然違うじゃないですか。それと同じ感覚で、革のコンディションや仕上げたい方向性によって、両者を上手く使い分けて行くのがベストでしょうね。
このENGLISH GUILDブランド、今後は茶系や紺の乳化性クリームそして油性ワックスも登場する予定。これまで業務用ばかり作っていた製造元が作る初めての「一般ユーザー向け」でもあり、展開に若干手間取っているみたいですが、相手は何せ悠長なイギリスです。そこはまあ焦らずに、良い商品を気長に待ちましょう!
【商品情報】
ENGLISH GUILD Bees Rich Cream
色:全7色(ニュートラル・ブラック・ダークブラウン・ミディアムブラウン・ライトブラウン・バーガンディ・ネイビー)。そのうちニュートラル・ブラックの2色を先行発売中
税込み価格:2100円
お問い合わせ先:R&D
TEL:03-3847-2255