人生で初めてのホームレス支援プロジェクト
ちょうど2年ほど前に、就職活動を控えた大学3年生と共に夏休みを利用したプチプロジェクトを実施した。参加した学生は皆それぞれサークルやゼミに所属しており、その活動以外での経験を積みたいと集まったメンバーだった。メンバーはそれぞれ4名ほどのチームを組んで自分たちの活動テーマを考える。私からのお題は「課題を抱えている人に会って話を聞き、自分たちの出来ることでその課題解決のお手伝いをしてきなさい」というもの。
そしてあるチームは支援対象を「ホームレス」に決め、人生で初めてのホームレス支援プロジェクトをスタートさせた。まず学生たちはホームレスの方々の現状を知るために、街角でよく見かける『ビッグイシュー』という雑誌を販売しているホームレスに声をかけ、何か困っていることはないかヒアリングを始めた。
ホームレスの方々も日々試行錯誤しながら雑誌の販売をしている
その後に考えた解決策には私も驚いた。解決策と言うと何かとても大がかりなイメージがあるが、彼らはしっかりと「自分たちに出来ること」を選んだ。
彼らが行ったのは、数名の売上が伸びているホームレスの方に販売のテクニックやノウハウをヒアリングし、それを本人了承の上でA4の紙数名にまとめ、オリジナルの「販売ノウハウ集」を作って、他のホームレスの方々に配ったのだ。
なかなか情報共有の機会がなかったホームレスの方々にとって、他の人の成功事例は大変役に立ったらしく感謝されたらしい。
このような活動は当然学生たちにとっても初めての体験でプチチャレンジとなった。サークルの活動の枠にとらわれず、何かやってみよう! と思うことがあるのであれば、サークルの仲間と共に「プチプロジェクト」を立ち上げてみるのも夏休みにはお薦めだ。