プロの農家レベルで、米や野菜づくり
秋の収穫期には、稲刈り作業が優先され、お店の営業はお休みになることも。
例えば、お正月休みの初仕事は、田んぼを耕すことから始まります。寒波の時期には害虫が冬眠しているので耕して土を起こすことで虫が凍死し、農薬を減らすための手だての一つとなります。いいお米を作るには、冬から土づくりの準備をされているのです。
また稲穂が育ち、水分をたっぷり与える時期を見計らって、魚肥を流し入れます。アミノ酸が加わることで、お米に甘味が増すそうです。
市場には出ない食材が食べられることも
青梗菜の花も、期間限定でメニューに入ります。
というのは、青梗菜の花は野菜としての盛りがすぎてつくものです。花をとるためには、半年という長い期間育てなければならず、限られた土地で、花が咲くまでの1回だけの収穫では、コストが割に合わないのです。
青梗菜の花は、大仲さんが経済効率を考えず、畑の隅で少量を育て、季節のお楽しみメニューとしてお店で出されます。このように大仲さん自身が生産者でもあることで、これは知り合いの農家さんに頼める仕事、あるいは頼むには無理がある仕事、と判断ができます。同じ生産者の立場が理解し合える信頼関係があるからこそ、知り合いの農家さんも質のよい新鮮な野菜を提供してくださるのです。
野菜は幸せの源、健康は幸せの原点
田畑で育まれる自然の命の営みは、人間の都合には合わせてくれません。朝夜明け前や、営業後の夜中に田畑に行くこともあり、忙しい田植えや稲刈りの時期は、お店の営業を休む日もあります。「お店の営業と農業の両立。例えば、夜明け前に水まきにいくのは大変でしょう?」と質問すると、「昼間の生温い水をまくよりも、夜明け前の冷たい水をまく方が、しんなりしていた野菜の生き返り方が違うんです」という答えが返ってきました。何を優先するかは、自分の都合ではなく、田畑主体とされていることが伺えました。
「野菜は幸せの源です。健康は幸せの原点です」がモットーという大仲さん。これだけ忙しい毎日でも元気に過ごせるのは、旬の野菜と、ごはんや肉・魚とをバランスよく食べてるおかげと、大仲さん自身が実感されています。料理は、作る人の人柄を表すといいますが、「農家厨房」の食事をいただけば、大仲さんの溢れるようなエネルギーを分けてもらえそうです。
農家厨房
営業時間/11:30~22:00(日・祝日定休)
電話番号/06-4803-7803
所在地/大阪府大阪市江戸西区堀1丁目1-9 2F