ホテルで経験を積んだ確かな技術と配慮
「農家厨房」
オーナーシェフ
大仲一也さん
オフィス街では、午後からの仕事を考えると、あまりにんにくを利かせすぎない方がよいのではないか、というきめ細かい心配りは、ホテルでの経験が実を結んでいるのだと思います。
中国料理のごちそうは、肉や魚介はもちろん、あらゆる贅沢な食材が使われますが、日常的な食事は野菜がたっぷり使われています。大仲さんは、献立全体で、肉3に対して野菜は7くらいのバランスで考えているそうです。
ヘルシー志向の女性だけでなく、デスクワークが多いビジネスマンなどにも、おいしく料理を楽しみながら、旬の野菜をしっかりと食べていただいて日々の健康に役立つお店にしたい。そんな思いで、大仲さんは「農家厨房」をオープンされました。
旬の食べ物が、健康を支える
野菜は、収穫仕立ての新鮮なものが使われます。
「野菜が体によいということは頭で理解していましたが、親のいう旬のものを食べることが体によいということは、40歳代になった年齢による変化を感じるようになり、また田畑の仕事をして自然の営みを肌で感じるようになって、腑に落ちました」と語る大仲さん。
自分で作るからこそ、新鮮な野菜をお手頃価格で提供
ホテルに勤務していた頃、経験を重ねて管理職になると、若い頃よりも時間的にゆとりがでてきました。その頃から大仲さんは、大阪府堺市にあるご実家の農業を手伝うようになりました。夏には、水分の多い野菜や、陽の光を浴びてビタミンやポリフェノールの多い野菜が育ちます。また寒さが厳しくなると、野菜は寒さから身を守るために糖度を上げて凍らないようにします。このように、自然の営みを見ながら、旬の野菜は、おいしく、また健康に役立つ栄養成分が豊富なのだということを、実感されました。
お父様が他界された後は、大仲さん自身が営業の傍ら、田畑の世話をし、農作物を作っています。また足りない分は、近隣の知り合いの農家さんから直接仕入れることで、新鮮な食材を、リーズナブルな価格で料理を提供できるのです。