アメリカ人が好む〇〇ドラマ(2ページ目)

知的好奇心のくすぐられる、ここでしか知れないCIAの内部事情
『コバート・アフェア』

アニー・ウォーカーというアメリカはCIAの訓練生の成長と葛藤と描いた作品。
刑事モノは刑事モノでもこちらは、スパイものですね。CIAのドラマって、以前オバマ大統領のお気に入りドラマとして紹介した『HOMELAND』や草食男子スパイを描いた『CHUCK(チャック)』など、多く存在するのですが、『コバート・アフェア』は中でも一番CIAの内部事情を赤裸々に表現した作品だと思います。

そもそもCIAって何？ 日本で事件が起こったとき解決するのは表面上では警察機関しかないので、「スパイ機関」ってなんだか聞き慣れないですよね。アメリカには各州警察にFBI、CIAのようなオフィシャルなスパイ機関から、極秘スパイ機関まで、様々な事件解決、テロ防止機関が存在します。CIAは、テロを防止して、アメリカ国内の治安を守るために、怪しい人が国に入ってないか、常にウォッチする機関ですね。警察やFBIは起こった事件の解決、CIAは起こる前に事件を防ぐ機関、といったところでしょうか。ちなみに「Central Intelligent Agency」の略で、「中央情報局」って意味らしいです。こうやって読むとなんか迫力が一気に薄れますが、怖い連中です。だって、「CIA特権」を使えば、盗聴も尾行もなんでも許されてしまうのですから。

本作はそんなベールに隠されたCIA内部をのぞくことができます。もちろん、フィクションなので、実際と異なる部分も多いと思うのですが、制作サイドもそれなりのリサーチの上で進めていると思われますので、ある意味、イメージは近いかと。

CIAの外観からオフィスの内観、部署がどれだけあってそれぞれの部署ごとの業務分担、出世争いまでCIAの細部が表現されていて、実に興味深いです。スパイも実は普通のサラリーマンで、一気に親近感が湧いたりもして。本作内だと、CIAスパイは家族に自身の職業を明かしてもいいようです。危険が伴うため、家族にさえ死ぬまで仮の職業で嘘を突き通すスパイも多いようですが。

アニーは、私たちのイメージする女の武器をフル活用して人をだます女豹スパイとは全く異なり、明るく、前向きで愚直、そして気量もある実に気持ちいい女性です。思わぬトラブルが起きた時にも「何が正しいか」を冷静に判断でき、パニックにならない、感情的にならない、悲観的にならない、安心して見られる作品ともいえます。

ドキドキするサスペンス展開には正直期待できませんが、CIA内部事情を知ることができたり、CIAの任務に密着できたりする部分は最高に魅力的。あわせて、若きアニーがヘビーな任務を実になめらかに解決していく姿にも非常に好感がもてて30～40代女性に人気の刑事ドラマです。

■『コバート・アフェア』　DVD＆作品情報
http://www.covertaffairs-tv.jp/

シーズン1～2までDVDレンタル中。
シーズン3が2013年9月4日にレンタル開始。
定額制海外ドラマ見放題サイト「hulu」でシーズン1～2が配信中。